アフィリエイトの文具評論家ブログ実装版The Critique of the Stationeries with an Affiliate blog

プラチナ萬年筆 300

 1970年代の日本を中心に流行したショートとかポケットとか呼ばれる不格好な万年筆があった。そして私はこの、全体の輪郭が流線形なのに寸詰まり短小で珍妙な形式が嫌いであった。日本らしいといえばそうかもしれないがまったくもって醜い。今は昔ほど嫌っていないが、これに美を感じる者がいるわけない。おそらく1968年発売、廃番年不明。日本製。
●キャップ
刻印
PLATINUM
300
嵌合式。可動クリップ。難点はクリップ尾部(先端)の角が十分丸められていないこと。

 ポケットクリップとトリムリングがクロム鍍金で、ステンレスヘアライン軸に似合っている。本品は18金ペンだが、これに金装飾は似つかわしくない。金ペンをプラチナで仕上げるかホワイトゴールドにして色を合わせていたらもっとよかった。
ヘアラインはラミーロゴL06のゾワゾワする仕上げより細かく滑り止め効果も無いが、多少傷ついても目立たない質実な仕上げ。
 青い菱形ステッカーは首軸の色を示す? その傍には値札が剥がれ落ちた跡が残る。当時の価格不明。筆記時の重心はこの辺り、軸長比57%にある。
 キャップが長い、ショート/ポケット型の名に反する長さ。
●胴軸
見よ! この退化した部品を!
キャップの四割程度の長さしかなく、もはやインクカートリッジカバーだ。ピストン吸入器収納不可。軸尻を四角く絞るのはプラチナ300シリーズの特徴らしい。

 画像中の青緑色の万年筆のように、筆記時には胴軸が完全に覆われる。キャップが長いのは短い胴軸を補うためだったのだ。使用時には長く収納時には短い形式がショート/ポケット型と呼ばれる所以である。
 しかしこの醜い形式にも、長い首軸と相俟って筆記時、段差を感じさせない快適さがある。
最近の万年筆は首軸に段差を設ける傾向がある。パーカー51にそんな段差があったかモンブラン149にそんな段差があるかペリカン800にそんな段差があるか。評価が高い万年筆は段差が小さいか首軸を短くして段差を前方に移している。

 難点はキャップを奥まで後装できず胴軸が一部露出することだ。
使用開始一ヶ月後には、強く押し込むと完全に胴軸を覆えるようになったが、外す際にこれまた力をかけなければならず、その際に胴軸が緩みやすい。だいいちニブを露出したまま力任せに振り回すようなマネはできない。経年に伴う変化か、或いはいわゆる個体差に思うが、もしかしたらこれが当時の標準的品質だったのかもしれない。
であるので、後装させたキャップが外れさえしなければいいと思うことにした。

●首軸
長いキャップに合わせて首軸も長く、ぬーっと引き抜く。内部の鈑ばねが首軸を挟んでばね張力をかけているのみ。噛み合う箇所が無いのでクリック音はしない。ニブ付近の銀色の象嵌装飾はパーカー61をまねたのだろう。

●ニブ
刻印
18K
PLATINUM
細軟

PLATINUMは材料ではなく社名。プラチナ万年筆の罪は元素名を社名にしたことだ。紛らわしいことこの上ない。しかしもう社名を変えられないだろう。
 形式はいわゆる爪ニブ、ショートペン軸形式と共に流行し日本の万年筆各社が採用した。これはモンブラン二桁をまねて行き着いた意匠じゃないかと思っているが、シェーファーの象嵌ニブをまねようとしたのかもしれない。
爪ニブの源流はフーデッドニブに思う。ペン先をペン軸前縁で覆ってインクリザーバと同じ効果を生むフーデッドには、ペン先が見えない特徴があった。しかし万年筆を印象づけるペン先が見えないというのは、手強い競合品ボールペンを前にして欠点たりうる。
フーデッドから爪ニブへの移行は、万年筆の古臭いイメージを払拭する流線形を保ちながらペン先を見せるためだったのだろう。結果としてインクリザーバ機能が失われた。

・インクカートリッジ装填
 同社のインクカートリッジ(スペアーインキ)は独自形式ながら完成度が高く、発売当初から殆ど変わっていない。
 純正ブルーブラックカートリッジを装填、一分経ってもインクが通らなかったためカートリッジを外し、その挿入口にニブをあて呼び水にした。
透明なペン芯はおもちゃっぽいが、ペン先との接触面にインクが流れこむとインク色を反映して視認できるのが便利。インク流量控えめ。
[プラチナ萬年筆 300]の続きを読む
  1. 2017/11/15(水) 06:00:00|
  2. 万年筆Fountain pen
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

コクヨ トライストラムス週間バーチカル2018 THM-KD03-8


 日付が無いコレト手帳でもいいなどと書きつつも買った2018年手帳。ハードカヴァーとソフトカヴァーがあり、後者を選んだ。日本製。
ほぼA6判105.5mm×148 (文庫判)、7mm厚、約85g、糸かがり綴じ? 折丁11、144ページ
年間、月間2018年1月~2019年1月
週間ヴァーティカル2018年1月1日~2019年1月6日
見開き一週間、土日均等、6時~23時、1時間5mm×22.5
しおり紐なし。

週間の画像は折丁の中央を、月間の画像は隣り合う折丁を写した。

・表紙は水を一応弾くが、撥水性とまでは言えないように見える。
・ソフトカヴァーは同社システミックのようなノートカヴァーと組み合わせることを想定したようだが、そのままポケットに入れて使う予定。
・A6判は胸ポケットや内ポケットに一応入るものの収まりよくない。裁断できるものなら裁ちたい。
・しおり紐の代わりにインデックスがある。
・メモページなし。
・全ページ、下地に5mmドット方眼が印刷されている。
・6時~23時、上部にある6行を足して23時間ヴァーティカルに見立てられる。

左から
クオバディス イタルノート90mm×176mm
コクヨ測量野帳95×165.5
本品105.5×148
パイロット コレト手帳91×152.5
伊東屋オリジナル24手帳95×160
  1. 2017/10/30(月) 06:00:00|
  2. 画材製図用品Others
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

レイメイ藤井 ショートサイズダイアリーRFD1728




手持ちのは2017年版。
 糸かがり綴じ、横開き、折丁9、144ページ、しおり紐なし、日本製。ヴァーティカルではない。
月間ブロック2016年10月~2018年1月
見開き二週間ブロック、土日均等、2016年9月26日~2018年2月11日、5mm方眼メモ36ページ、ゴムバンドあり。
机上をPCにとられてしまった現況に合わせ、キーボードの上下に置きやすい横長判型。
特長は小ささ。メモ帳サイズでありスマートフォンサイズ。ポケットにも手のひらにも収めやすく携帯性に優れる。

・厚紙表紙0.9mm厚。
・背表紙無く綴じが露出している。ページはノド(左右ページの合わせ目)まで開き、そのまま水平に開いておける。
・しおり紐が無く、ゴムバンドをしおり代わりにしている。
・ゴムバンドを留めるハトメが、スマートフォン画面と擦れ合う金属製でなかったらもっとよかった。
・月間ブロックは一マス10.5mm×30mm。
・見開き二週間ブロックは上下に分かれ、一マスは上が30×33.5、下が30×31.5。
・曜日表示が上端にあるため上下で寸法が少し異なる。この表示は中央分割線上にあるほうがいいかもしれない。
・エナージェル1.0やサラサドライ0.7で裏抜けする。エナージェル0.7やパイロット万年筆用ブルーブラックでは抜けない。
  1. 2017/10/20(金) 06:00:00|
  2. 画材製図用品Others
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

パイロット コレト手帳 週間バーチカルPBCLB08-20と週間セパレートPBCLB06-20


Yahoo!ショッピング - パイロット PILOT コレト手帳リーフ(見開き1週間バーチカル) PBCLB08-20|赤塚ビジネス株式会社


Yahoo!ショッピング - パイロット PILOT コレト手帳リーフ(見開き1週間セパレート) PBCLB06-20|赤塚ビジネス株式会社

 11種のカバーと17種の手帳リーフを組み合わせる商品。今回取り上げるのはその商品体系のうち二種。日本製?
週間バーチカル;見開き一週間、平日重視、8時~21時または7時~21時、罫幅7mm、下のメモ欄が5mm罫
週間セパレート;見開き一週間、土日均等、4.7mm罫

二種ともに80ページ(厚紙表紙含まず)、中綴じ、日付なし、一冊39週、約0.75年ぶん、四冊で約三年ぶんという半端な手帳だ。代わりに季節商品の欠点がなく廉価である。期間限定で日付入りもあるというが、私は出逢ったことがない。
週間ページ以外、月間も住所録もなく、それらを別売り手帳リーフで補うため、コレト用カバーは手帳を二冊~四冊差し込める。
 コレト手帳は1970年ころに発売され、2005年に発売されたのがハイテックCコレト。同名商品群でありながら、関連した販売戦略が行われていなかったようである。

・判型が伊東屋オリジナル手帳よりちょっとだけ大きい。伊東屋カバー流用できず。
・カバーを買わずに裸のまま使っているが、しおり紐がないのが不便。別売りカバーにもついてないようで、製本テープで新設するしかないようである。
・表紙左下隅に暗色で数字あり。6が週間セパレート、8が週間バーチカル。
・週間セパレートは土日均等、ヴァーティカル風に書ける。
・紙がジェットストリームインクに耐えられるかまだわからん。パイロット万年筆用ブルーブラックでは、インクが溜まる箇所で裏抜けするが、深刻なことではない。
パイロット コレト手帳:Amazon.co.jp検索
  1. 2017/10/10(火) 06:00:00|
  2. 画材製図用品Others
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

伊東屋 オリジナルダイアリー24時間バーチカル O-PDYA-24HR


 2017年初頭、追加して買った手帳。塩ビカバー5色。日本製。
月間ブロック2016年12月~2018年3月、週間ヴァーティカル2016年11月27日~2018年1月6日、24時間、土日均等、日曜始まり。メモ13ページ。小口が金色、しおり紐二本。
95mm×160、約10mm厚、約110g(カバー、別冊ノート込み)
本体88.5mm×150、6.5mm厚、176ページ、約78g(本体のみ)
別冊ノート82.5×148、14ページ、約9g。

 95×160はA6判105×148 (文庫判)より細身、クオバディス イタルノート90×176よりやや幅広く背丈が短い。モレスキンポケット92×143とほぼ同幅で背丈が高い。つまりは携帯性に優れる。


・5.25mm罫。極細や細字向け。
・(新品時を除けば)ページを開いたままにしておける。
・紙は蛍光漂白されていない生成りのような白さ。紙が薄いため、裏面に書いた文字が透けて見えるが、インクが染みて裏抜けしているわけでなく、パイロット万年筆用ブルーブラックでもラミーM66でも、三菱ユニボールエアでさえも裏抜けせず滲まない。時間をかけて裏抜けすることで有名な三菱ジェットストリームSXR-7同SXR-80-07も裏抜け寸前で止まっている。
・この薄葉紙の滲み止め剤はかなり優秀で、ぺんてるエナージェル1.0とゼブラ サラサドライ0.7が少々裏抜けするくらい。代わりに、それらの速乾性が抑制される。
・にもかかわらず万年筆用インクは他の紙並みに乾く。
・顔料系ゲルインクボールペンでは裏抜けしないが、裏写り──文字を書くと、紙の裏に文字が写る・移る現象がときどき起こる。裏に写る文字は下に敷いてある二枚目に書いた文字であり、それが完全に乾燥していても、筆圧によって一枚目の裏面に転写されることで起きる。これは顔料系の特徴だから染料系インクでは通例起きず、高筆圧を誘うボールペンで起きやすい。またインクが浸透する裏抜けと違い、紙質に起因しない。
・塩ビカバーは塩ビに感じられず、ウレタンか何かに思えた。ペンを表紙に差して凹みができてもしばらくすると元に戻っている。
・カバーは超音波溶着ではなく縫製。ペン差しとカード差しなし。
・リフィル(詰め替え手帳)と別売り牛革カバーが6色ある。

 やや小さめの判型に24時間土日均等ヴァーティカルという、実に優れた手帳であるが、問題なのが最大の長所たる日曜始まりである。市販の壁掛けカレンダーに合わせたそれは、週末を連続して捉えられず、週休二日制に合わない。むしろ壁掛けが日曜始まりなのがおかしい。しかし24時間バーチカルと良好な携帯性は大きな魅力、継続使用を迷うほど優れている。
 来年はもう、パイロット コレト手帳バーチカル(日付なし)やレイメイ藤井ショートサイズダイアリー(スマートフォンより小さい二週間ブロック)でいいんじゃないかと思っている。

 イタルノートと同じく、これもまた仏陸軍M64やF1/F2の胸ポケットに入る。
この、ペンを挿すには適していない胸ポケット形式は山岳用品で主流となっており(背嚢の負革に干渉しないからだ)、ファストファッション大衆向け衣服の一部は山岳用品を模しているから、一般にも増えて筆記具を駆逐し、電子ガジェットへの移行を促している。一方、同様のポケットがある英陸軍S95テンパレートジャケットでは内部にペン挿しを三本ぶん縫い付けている。

  1. 2017/09/24(日) 06:00:00|
  2. 画材製図用品Others
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

クオバディス イタルノート第二回



→第一回
・今回はオートマチック開閉を用いず製本テープでしおり紐を新設した。
・3.72mm (約10.5ポイント)の罫幅が狭く、細字や極細が合う。
・右ページの2/3を占める26行のメモ欄が便利。
・象牙色の紙面はライフ ノーブル以上にすべらかで万年筆の書き味を倍加させる。
・その紙は三菱ジェットストリームSXR-7同SXR-80-07、同ユニボールエア、ゼブラ サラサドライ0.7、ぺんてるエナージェル1.0mm (0.7には耐える)で裏抜けする。もっとも、多少の裏抜けや滲みで裏面が読めなくなるほどではないから、どうこう言うことはない。
一方SXR-80-07でも緑色は裏抜けせず、三菱ジェットストリームプライムSXR200同UBR300、パイロット万年筆用ブルーブラック、同LNシン25、ラミーM66では滲みや裏抜けがなかった。
・顔料系ゲルインクボールペンでは裏抜けしないが、裏写りがときどき起こる。文字を書くと、紙の裏に文字が写る・移る現象。下に敷いた二枚目に書いた文字が、一枚目の裏面に筆圧で転写されるために起き、高筆圧を誘うボールペンで起きやすい。インクが浸透する裏抜けとは違う。
・ページを開いたままにしておけず片手で押さえなければならない。そのぶん覗かれにくいかもしれない。
・ビニールカバーは安っぽく見劣りするがしかし、汚れにくくポケット生地と擦れ合わず出入できる。
・コクヨ測量野帳と同じく横幅が狭いため、片手で支えやすく立ちながらでも書ける。
・イタルノートは魅力的な判型だが、左右に分割されたヴァーティカルには慣れなかった。数日前になって、これはヴァーティカル兼用レフト式と捉えればいいんだと気づいた。

 伊東屋オリジナル24Hとともに、仏陸軍M64やF1/F2の胸ポケットに収まる。この「ナポレオン」ポケットにはペンを留められない。かといって手帳等の表紙にペンを留めればクリップが折れるか弛む。可動式クリップ付き筆記具か、ペン差し付き手帳を要するのだが、手帳会社がつくるそれは短く不安定で、可動式クリップは製品が限られる。
そこで、購入後全く使ってなくて、買ったのは失敗かと思っていたコクヨ ウィズプラスを試したらポケットに入った。薄型筆入れウィズプラスはコクヨ測量野帳やイタルノートとほぼ同判、その前面ポケットに4本程度ペンを挿せる。手帳表紙に差すのと違い、ペンがはみ出さない。同様のペン差しポケットをつけた測量野帳カバーがあれば重宝がられるはずだ。
  1. 2017/09/12(火) 06:00:00|
  2. 画材製図用品Others
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

三菱鉛筆 ジェットストリーム2&1 MSXE3-800

三菱鉛筆 ジェットストリーム 多色ボールペン 0.5mm 替芯 10本セット (黒5本・赤3本・青2本) SXR-80-05:Amazon.co.jp

 同社ジェットストリーム4&1 MSXE5-1000の姉妹品。五芯式から三芯式(黒赤2色ボールペンとシャーペン)へ軽装になっただけでなく実際四割ほど軽くなった。2015年11月発売、たぶん日本製。
同社は同機能のジェットストリームをすでに二種、廉価版MSXE3-500 (2008年1月発売)と高級版MSXE3-3000 (2015年10月発売)を発売しており、それらの中間にあたる本品を加えたところに、SXシリーズの成功が垣間見える。

 替芯はJIS油性B型より短いSXR-80
MSXE3-800-07には0.7mmボール替芯が、MSXE3-800-05には0.5mm替芯が装填されて出荷される。胴軸ラベルで判別でき、そのラベルを剥がせる。
 このような、替芯交換でボール径=字幅を変えられるにも係わらず、ボール径によって異なる製品であるかのごとき売り方、考えてみればヘンな売り方を私たちは疑問なく受け容れ、字幅が異なる替芯に互換性があるのかと質問したりする。ペン軸にボール径を記したスラリ300ではより顕著である。これはどうも安物ボールペンに特有な売り方のようだ。
替芯に依拠した分類をしながら替芯交換を軽視し使い捨て同然に消費してきたことが、日本製ボールペンの高価格化を阻み低価格帯に位置づける一因であり、日本企業はその低価格帯で好況期には大いに儲け不況期には糊口をしのいできた、と私は捉えている。
 新興国製品が流入する時代になって、収益性を高めるために再び高価格化を企図しても、陳腐化し途上国で製造できる軽工業品など海外移転してコスト減すればいいというのが、さらなる利益率拡大を望む投資家らの意見であるから、軽工業の海外移転が止むことはない。
その状況に(おそらくは)意図せず抗して成功したのが、三菱ジェットストリームに代表される低粘度油性だった、というのが、現今隆盛するインク改良に対する大方の評価である。

・4&1より中芯数が減ってレバーが120°間隔で配置されたため切り替えづらくなった(ジェットストリーム2&1後述)
・4&1と同じく、ペン軸表面を艶やかな光沢または半つや消しに仕上げられ、金属を模している。金型分割線が目立たないのが4&1よりいいところ。
・4&1に装備されていた消しゴムを廃したために軸尾の見た目もよくなったが、機能的には劣る。シャーペンも廃して三色か四色ボールペンにすれば完成度が上がる。と思っていたらいつの間にか三色ボールペン化されていた。
・4&1に比べ、スライドレバーが後退しても甲高い音を発しない。後軸が二重構造化されて音を抑えている。
・4&1より細く、グリップ径がトンボ リポーター4スマートと同程度で手帳のペン差しに挿しやすいと思う。またゴムグリップであるけれども、私には運筆しやすい太さ。
・4&1と重心位置がほぼ同じだが、先軸の大部分がプラスティック化されて軽くなったため、あれほど前のめりには感じない。軽量化はまた、廉価版や他社製品と差別化できる点が外観のみになる一面ももたらした。
・4&1では先軸ねじが金属で後軸側がプラスティックだったため携帯中にゆるむことがあったが、本品では凹凸ねじ共に同材料となり、ゆるみにくくなった。異素材の組合せでは一方が磨耗し、ねじがゆるむことがある。とくに毎度毎度力いっぱい締めていると返ってゆるみやすくなり、また割れやすくなる。
 グリップ(先軸)を外して替芯を引き抜き、替芯交換。 [三菱鉛筆 ジェットストリーム2&1 MSXE3-800]の続きを読む
  1. 2017/08/16(水) 08:00:00|
  2. ボールペンBallpoint pen
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

ゼブラ スラリ300 BA38, BAS38


 同社スラリBN11を金属軸化した上級品、でありながら廉価な、労働者階級向け製品。2014年6月発売、中国製。300は価格を示す。2016年さらに高級なフィラーレが発売された。

 替芯は原型品スラリBN11と同じEQ芯。EQ-0.7芯(0.7mmボール)を装填して出荷されるのがBA38、EQ-0.5芯ならBAS38、ペン軸のボール径表記にかかわらず替芯互換する。
 私は同社F-301の系譜に連なる製品に分類しているが、公式のそれはF-701或いはフォルティア300である。

 プラスティック製品はたいてい経年でみすぼらしくなるだけだが、金属製品は「年老いて」も渋く見えるうえ割れない。反面、複雑なペン軸形状にするには手間がかかるため、単調な、しかし好悪がわかれにくい直筒ペン軸にされている。あらゆる低価格品がプラスティック化された今日にあって、明らかに好印象を与える公文書仕様インクボールペン。
2000年前後の行財政改革以降、一部を除いて日本の筆記具はすっかり貧乏くさくなって、使い捨て同然の安物を高級に見せかけようと素材をごまかすことに腐心してさらに安っぽくなった。低価格化だけならまだしも低価値化はデフレスパイラルを象徴していた。
 2010年代に現れた安っぽくない廉価品が同社フォルティアや本品である。米国ではZ-Mulsion LXの名で日本の約三倍$8.23で売られ、またインフレ圧力が高まっていることから、値上げされないとも限らない。気が向いたら買っておくのがよろしい。もっとも、のちに発売されたフィラーレがその役割を担っていること、国債過多な日本では金利上昇を抑えるデフレ圧力もまた存在し続けていること──景気回復が続いているなら貸出・預金金利も上昇するのにゼロ金利のまま。銀行が言うには資金需要が無い、とのことだが、政府日銀の主張と整合しない。外資誘導派政権によって間接統治体制へ移行しつつあるのは周知の通りであるが、直接金融比率を高めて労働分配率を下げた代わりに、個人向け融資(住宅ローン等ではなくカードローン、あれはサブプライムローンだ)を増やして個人消費を増やそうとしている。その金利は他と連動されずうまい方法ではあるものの、家計負債が増え貯蓄率が下がると予想される──から本品の価格は維持されるだろう。中国製が気に入らない愛国者は同社フィラーレにするがよい。あちらはたしか日本製だ。※2017年9月18日追記:フィラーレ、日本製ではないかもしれない。
・ノック負荷約350g。カランダッシュ849より少し軽く、柔らかく作動し、内部で回転子が噛み合う衝撃が小さくBN11より作動音が小さい。またノックボタン径が太くて押しやすく、内部にばねが仕込まれ、引っ込んだままにはならない(定位置に復する)。

左画像は生地が薄く、右画像は厚い。
ポケットに挿した品は左から
ゼブラF-701
同F-301
本品
カランダッシュ849
ラミーロゴ206
同204
・クリップは原型BN11の形状を踏襲して金属化。旧来の弾性クリップ(可動式でない固定式)ながら機能的に充足し、ワイシャツもラシャ地も挟めるものの、厚地では留まる位置が8mm変わって同社F301並みになる。
2015年限定版では、蛇足に感じられた線刻の意匠が消えて水滴型エマルジョンインクロゴのみになった。再生産を望む。

・後軸の主材料はたぶんアルミ合金。ばねとクリップ、ノックボタンは鉄かステンレスで磁性がある。
銀色軸はヘアライン仕上げ(同社F301より粗くラミーロゴ206より細かい)、色軸は磨き仕上げを染色し、発色が良い。
・先軸は合成樹脂にゴムを二層成形したものだが、口金が金属製で重さがある。
・おそらくシリコーンゴムグリップは、潤滑性ゴムのようで新品時はすべすべして摩擦が低く、また堅い。半年ほど放置するか埃まみれにすればすべらなくなるが、ゴムグリップ好き・嫌い双方に評価が低いに違いない。代わりに、直筒ペン軸と相俟って手帳のペン挿しにもするりと入る。
金属軸は十年くらいもちそうだがゴムが何年もつかはわからない。安っぽくない本品のなかで全く安っぽい部分である。

 金属筒に合成樹脂筒を内張りし、グリップ(先軸)側とねじ材料を合わせて、磨耗とゆるみを防いでいる。ねじ材料の硬度に著しい差があると一方が磨耗するため。
先軸を外して替芯交換。替芯復座ばねがBN11より短く、細かなコストダウンを窺える。紛失に注意。 [ゼブラ スラリ300 BA38, BAS38]の続きを読む
  1. 2017/07/15(土) 18:00:00|
  2. ボールペンBallpoint pen
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

ゼブラ F-701 BAZ47


 ゼブラ海外支社のスティールシリーズの金属グリップ油性ボールペン。発売年不詳(1990年代?)、インドネシア製。未輸入品をAmazon.co.jpが輸入した。同社F-301の上級品にあたり、替芯も互換。

 適度に太い金属軸とローレットグリップもさることながら、長所はぞんざいなクリップ。まったく工業的な、優雅でないプレス加工部品だが、適応範囲が広く、デニムでもラシャでも厚地のポケットに挿せるうえ、ペン軸が短めだから少々浅いポケットにも挿せる。
短めの軸長と太めの軸径が胴長短足でバランス悪そうに見えたが、書いてみると問題なかった。とくに野外でメモする際、やや短い軸長はむしろ扱いやすかった。
 短所は軸尾に露出した合成樹脂部だそうで、落としたとき、当たりどころが悪いとここが割れるそうである。
なお合成樹脂は概ね薬品耐性が低く、アルコール消毒したり溶剤等を扱うなら、合成樹脂部品比率が低い金属軸が良いという。だからかどうか、英国では外装をフルメタル化したF-xMDへ置換されている。→F-xMD │ Zebra Pen
日本でF-701が売られ始めたのは在庫処分とも考えられるものの、カナダでは双方掲載されているから(2017年5月現在)急いで買うことはない。→Steel | 3-Series, 4-Series, 7-Series | Zebra Pen Canada
 まったく労働者階級向け、それも野外仕様だが、金属軸は寒冷地では冷えすぎたり、雪面とくに新雪面に落とすと深く沈んで拾いにくくなるため、積雪地帯では紐付けするか他の合成樹脂軸も用意するのがいい。

・ノックボタンはムダなく作動する。ノック負荷約500g、重いのに感触がよく、内部で回転子(鋸歯状カム)が噛み合う際の衝撃を感じず音も小さい。三菱ジェットストリームプライムシングルより小さい。
浸水しても内部で錆びつかせないためか、ノック機構内部部品は合成樹脂、おそらくPOM樹脂。なおPOMは酸には弱いがアルコールや油には強いという。

左はポケット生地が薄く、右は厚い。
ポケットに挿した品は左から
本品
ゼブラF-301
同スラリ300
カランダッシュ849
ラミー ロゴ206
同204
・同型シャーペンとクリップ刻印が異なる。幅が5.1mm、ペン軸との隙間が2.5mmあり、紐を結わえられる。
ポケット挿入時露出部分が12.4mm。ペリカンK400やジェットストリームプライムシングルの14mmより短く、同社F301の半分、カランダッシュ849やohtoツイストの七割しか露出せず、フラップつきポケットにも干渉しない。これより短いのはラミーロゴの9mm弱や回転繰出し式くらい。反面、袖のペン挿しに挿した場合、F301やCdA849ほど取り出しやすくない。
右上画像のラシャ地のポケットは生地が厚く、スラリ300やCdA849のクリップが奥まで差さらない。これくらい厚いとラミーロゴのクリップに隠れたノック機構が引っかかるが、本品は薄地と同じように取り出せる。

・ステンレス製軸材。クリップとばね、替芯ペン先に磁性がある。
・金属グリップは菱目ローレット。ステッドラー925 25より粗く三菱シフトシャーペンに近い。
・ペン先(替芯チップ)が4mm露出するうえ口金先端(ペン先出没孔外縁部)が面取りされて見やすい。
ペン先出没孔内径φ2.55mmくらいに対してペン先径φ2.25mmだから寸法が合わない。その差を内部に仕込んだ合成樹脂部品で補い、また替芯との接触面積を増やしてガタツキを無くしている。それを外すとフィッシャーPR替芯を装填できるそうだが外せなかった。もっともそのままでもPR替芯を入れられる。→(F701後述)

 口金を外して替芯交換。ねじは口金側が金属、胴軸側が合成樹脂。異材の組合せは摩耗しやすくゆるみやすくなるはずだが、今のところ口金を軽く締めるだけでもゆるまず増し締めする機会も必要もない。口金がフランジ付きボルトのように座面が広くて摩擦を保ち、そこが金属同士で締めすぎを防いでねじ山損耗を防ぐのか。 [ゼブラ F-701 BAZ47]の続きを読む
  1. 2017/06/15(木) 06:00:00|
  2. ボールペンBallpoint pen
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

キャメル鉛筆製作所 No.CA-P4


 2025年までに大学入試が選択式から記述式中心へ変わり、しかも紙を廃止する気配すらあることから、マークシートに適していそうな鉛筆を売りこむなら今しかない、というわけで鉛筆を紹介する。今回は消しゴム付鉛筆である。

 金具を介さず消しゴムを尾端に直付けし、イトーヤ イートンペンシルやクラフトデザインテクノロジー鉛筆の元型となったであろう鉛筆。1985年発売? 日本製。
この記事画像に写る六角軸は(特記あるを除き)キャメルCA-P4、丸軸はイートンである。

φ7.7mm×184六角軸、芯径2.2mm、約4.5g、芯硬度HBのみ。
60円税別、ダース売りなし
銘は一面のみ、白字。
60 MADE IN JAPAN Highest Quality CAMEL HB

 芯径2.2mmはソニック かるスピン及びラチェッタ(芯先調節機能つき)並びにラチェッタカプセルやクツワ ケズール(画像は五段階調節のうち最も短く削った芯先)等で削っても芯先が露出する。
なぜに芯先を尖らせないのかといえば、接紙面積を増してマークを塗りやすくするためであり、尖った芯先でマーキングすると手間がかかるうえ読取エラーを招くからである。
 芯先を露出させる方法もある。KUMオートマティックロングポイントAS2MM+R207で木鞘だけを削って芯を露出させる方法もある。M+R207の場合、標準的なφ2mm芯HBでは芯の周囲に木鞘が残ることがあり、このφ2.2mm芯ならうまく削り出される。
 マークシート試験程度なら芯先露出が2~3mmで十分
そして、鉛筆一本でも解答できる文系問題に対し、理数系問題は筆算用とマーキング用を使いわけるのが望ましい。だから、芯先を尖らせた鉛筆と尖らせていない鉛筆を用意することに益があり、前掲した鉛筆削りはいずれも芯先を尖らせることもできる。

 一本の鉛筆の一端を尖らせ、もう一端を鈍らせて使う方法もある。それにも芯先調節できる鉛筆削りが適している。
両頭鉛筆でもないのに両端を削るのは不作法なことであり、また消しゴム付には不適当だから、ここでは鉛筆を使い分けることを勧めている。
*1行め(上段)は書いて消す行為を1回、5行めはそれを5回繰り返した。

 どんな消しゴムを使うかはお好きにしたらよいし、軸尾の消しゴムでも役立つが、ここではプラスWエアインフォームイレーザーピュアスリムなど細い、またはトンボ モノスマートSEEDレーダーラインなど薄い消しゴムを薦めよう。それらはマーク1コを消す際にも役立つ。

 鉛筆は左からファーバーカステル9000ジャンボ/HB φ5.3mmスタビロ イグザム288/HB φ2.2mm、本品/HB φ2.2mm
2016年12月はこれら三本を芯径が太い順に紹介する。
 OMR(光学式マーク読取装置)に反応するかナンバーズ3で試し、いずれも赤外光を吸収した。センター試験での再現性を保証しないが気に病むことはない。
各鉛筆でマークを9ヶ所塗り、うち6ヶ所をそれぞれの消しゴムで消しても、読取エラーが起きなかった。
消しゴムは左からF - C 587122スタビロ1191、消しゴム付鉛筆キャメルCA-P4はその消しゴムで消した。

 センター試験出題数は二日間で三百強と思われる。マークはおよそ長径4mm短径2.5mmの楕円。これを長径方向に320コ並べれば1280mm。楕円を三本の線でマーキングすると仮定すれば、線を3840mm引くことになる。
次に、鉛筆の芯先を鈍らせる。ここでは先端が約1.5mm径になるまで鈍らせた。
次に、マークシート答案用紙はロト6用紙と同じ紙質に思われ、その用紙には4mm×1mmマークが計243コある。
であるから、その紙にマーク1コあたり約4回、計960回マーキングすれば、おおよそ線を3840mm書いたことになり、そこで芯がどれくらい減ったかを見れば、試験中に鉛筆を削る回数を推定できる。
 さて実行すると、960回書いても(定規不使用)、芯が0.3~0.4mm程度短くなったくらい。二日間でもマーキング用鉛筆を削り直す必要がなさそうであるから、鉛筆削りも紹介する立場としては困ったことである。
 芯先の切削角度は、F - C 9000ジャンボが出荷時状態約26°、スタビロ イグザムグレード288はKUM AS2Mで削って約18°、本品はスタビロ鉛筆削り4518で削って約22°。左画像に写るのは比較のための1.4mmシャーペン
 いつも通り機械的な試験ではなく、また私の筆圧は低く80gあるかどうかだ。

参考リンク
→受験生のためのマークシートQ&A|教育ソフトウェア
→@nifty:デイリーポータルZ:マークシートは本当にボールペンを読まないのか?
→受験案内(PDF形式)| 大学入試センター [キャメル鉛筆製作所 No.CA-P4]の続きを読む
  1. 2016/12/24(土) 06:00:00|
  2. ┣鉛筆Pencil
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
次のページ