アフィリエイトの文具評論家ブログ実装版The Critique of the Stationeries with an Affiliate blog

パイロット BRFN-10レフィル第二回

パイロットBRFN-10:Amazon.co.jp

 パイロットの中級油性ボールペン用替芯。→BRFN-10第一回
2011年4月ころAインキを特長とする本品がアクロボール用アクロインキへと変更された。運筆軽いながらやや抵抗あるAインキが好感触だったのに嘆かわしいことである。

 アクロボールの書き味がいいのは最初のうちだけで、製造から年月を経ると溶剤が揮発するのか旧来の油性インクへ近づく。三菱ジェットストリームにはそんな劣化は認められない。
しかしそれも改良されたらしく多色アクロボール(2010年10月発売)からその傾向が見られなくなった。Aインキの技術を応用したのであろう。
 改良後のアクロインキはAインキに似た書き味だが僅かに堅く、トンボSMARTインクに似ている

 おそらく日本製。
個包装は右から左へ新しく。油性A-ink表示が油性インキ表示へ変更され判別可能。
紙箱にはAインキ表示のみ、特長など記載なし。パイロットはもう少しAインキ売り込みに労力を割いてもよかったのではないか。

青赤除き、逆流防止剤とインクとの境が茶色いのが旧Aインキ、青いのが新アクロインキ。
※追加;ペン先を封じる樹脂玉が透明ならA-ink、青ならアクロインキ。

初期は替芯の「首」にEND>刻印が無い。新旧ともに字幅F(0.7mm)/筆記距離1200m。ともに修正テープへのインク滲出は認められない。改竄耐性と黒インクの濃さは旧がやや優れる。

 φ6mm×86.8、ペン先径2.3mmという替芯形状は、いまやパイロットのほかに採用する者が少ないJIS水性B型(φ6×87、ペン先径2.3mm)に近い。
この型は、同社の油性芯Bシン20(現BRF-20)と同長の水性芯LNシン25に合わせて規格化された(デファクトをデジュールへ反映させた)んじゃないかと推測している。 [パイロット BRFN-10レフィル第二回]の続きを読む
  1. 2012/08/18(土) 22:00:00|
  2. ボールペンBallpoint pen
  3. | トラックバック:1
  4. | コメント:0

トンボ鉛筆 リポーター4スマート BC-FRL


トンボ リポータースマート;Amazon検索
トンボBR-CL替芯;Amazon検索
 同社多色油性ボールペン、リポーターをSMARTインク(低粘インク)化した製品。ここで取り上げる4色のほか2色と3色がある。軸色は4(+2)色に透明。2011年9月発売、タイ製。
 三菱ジェットストリームを代表とする低粘度油性のなかで多色のみ、しかも新規ではなく既存品を改良した製品は珍しい。
たぶんトンボで売れ行き良い油性ボールペンがこのシリーズ。同社ボールペンシェアが低いこと、また日本の普及的低粘度油性がいずれも多色化されていることを考え併せると必然的選択。

 以前、三菱ジェットストリームのことを「油性インク改良の集大成」と書いたがあれは既存品を逸した新たな油性ボールペンであった。
本品が低粘度油性というからにはそのジェットストリームと比べねばならないが、これは新たな油性インクではなく旧来の油性インクを1/6に低粘化したもので、パイロットアクロボールやAインキと並べるのが相応しい。
製造から年月経過したゼブラ スラリにも似ている。
 ジェットストリームの欠点は書き味が良すぎることだと感じる者には本品や前掲品を薦める。

 ペン軸が細くなく太くなく取り回しやすい。黒芯と赤芯が隣り合う色配置も助かる。
 前身のリポーターシリーズからは、操作性に優れるスライドレバーや、レバー指掛部を取り外して色配置を変えられる部品構成が踏襲された。リポーター及びhttp://nanos.jp/schzkr/blog/1/53/リポーター4コンパクトと替芯/ペン軸交換可能。
一方、制音ゴム板と可動クリップが廃止され、またレバー移動量に余裕がなくなりシャーペン組込改造(→http://nanos.jp/schzkr/blog/1/103/パイロット ハイテックCコレト第三回)が難しくなった。


 金属製クリップは、同社に依れば「日本が世界に誇る金属メッキ技術を駆使しました。クリップ板の下地処理、表面のメッキ処理にこだわり、輝く白光沢を実現し、高級感を演出」したという。ここだけ日本製?
この部品は確かに良い。厚地に挿せるうえ、筆記中にクリップが手に触れても干渉せず、レバー操作時にも障らないが、欲を言えばもう少し細くてもよかった。

 ゴムグリップの水玉模様に見えるのは露出した下軸基材。
ゴムが不必要に軟らかくなく堅くてよいが、末広がりのためペン差しに入れる際つっかえやすい。
 ペン差しへ挿しやすいゴムグリップを実現するには、同社エアプレスBC-APのようにゴムから浮き出るリブを設けたらどうか。私はゴムグリップなんかいらんと思っているのでアルトロのように溝を連ねるだけで十分だと思ってる。 [トンボ鉛筆 リポーター4スマート BC-FRL]の続きを読む
  1. 2012/08/12(日) 12:00:00|
  2. ボールペンBallpoint pen
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:1

カランダッシュ エクリドール レトロ0890-480


CARAN d'ACHE Ecridor:Amazon検索
 エクリドールは原型が1947年に完成し、1953年から一般発売され、1997年頃に50周年を記念し初期型を再現した"レトロ"が発売された。スイス製。
 前回触れたとおりこれは高級筆記具。同社は日本でそこそこ知られたブランドだが、それより有名で信頼されるスイス製というブランドを有している。1950年代当時、ボールペンのペン先を安定して製造できる工場が少なく、時計産業を擁するスイスの加工技術が同社に貢献したという。

・全長がやや短く5インチ。シャツのポケットは大きさが大体決まっており、深さが5インチ。よってポケットへの収まりがよい。
・軸材は真鍮。長らく放置したため熱変色した鉄のように黒ずんでいるが925銀鍍金。その厚さは一般的な4μm厚に対し10μmあり、現行品はさらにロジウムを鍍金して変色を防いでいる。
・エクリドールには多様な仕上げがあり、レトロは比較的単純な菱目模様を彫金している。クリップ対面にはイニシャル刻印のための平面を設ける。
・ペン軸に継ぎ目無く部品数が少ない結果、簡潔で堅牢、そして装飾できる面積が分断されず破綻しない。例えばエクリドール"ローテーション"は一体軸を活用した意匠だ。
・1950年代の型と仏語刻印を復元した短いクリップは、メットウッド等バリアスコレクションやエクリドールXSにも採用され、のちには他のエクリドールも長いクリップからこれへ変わった。現行は刻印を省いている。
クリップには四ヶ所の足場があり、胴軸にロウ付けされていると思われる。
・1999年頃からノックボタン上面にCdAモノグラムが刻印され赤く着色(後年省略)、外周の社名刻印も装飾的になった。
・ノックストローク約8mm、ノック負荷約430g。作動に引っかかりなくボタン断面積が大きいため軽く感じられる。
・ノック機構は、多数に見られる回転鋸歯カムの噛み合わせではなく、ノックボタン内にハート状カムを利用したノック機構を組み込んでいると考えられ、作動音が小さくその感触に抵抗感がない。ノックするとボタンも前進位置に留まる。
ハート状カム(ト音記号状の溝と呼んだほうが相応しい)はヴィスコンティメトロポリスやラミー ノト、トンボ エアプレスエプロに採用されている。 [カランダッシュ エクリドール レトロ0890-480]の続きを読む
  1. 2012/08/06(月) 18:00:00|
  2. ボールペンBallpoint pen
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

カランダッシュ エクリドール 890


CARAN d'ACHE Ecridor:Amazon検索
    高級筆記具を定義しよう。
  1. ステイタスがある。
    貴族文化や社会階級がある/あった文化圏に限らず、競争と対立あるところ社会的地位が求められる。農民の自治圏だったという伝説を持つスイスでもそのことが理解されている。
  2. 高価である。
    市場主義が世界を支配する以前から金額の多寡を社会的地位の判断材料とする。価格基準が社会階層によって変動するも、一万円(現行は一万五千円)なら納得される。
  3. 装飾されている。
    高価であることの理由として装飾が施され、同時に文化性を表そうとする。装飾は手間と技術を要したことを示し、その成果であることを示す。
    表面仕上げに925銀が鍍金され、その銀色は年齢と性別を超えて普遍的な上品さを表し、契約を交わす際にも映えるだろう。
  4. 筆記具である。
    これは前掲の特徴を具えたノック式油性ボールペンである。
    およそノック式を避ける高級品にあって、カランダッシュは上級品のヘクサゴナルやRNX.316(同社ではエクリドールですら二級品だ)にもそれを採用している。
  1. 堅牢である。
    ノック機構がノックボタン内に集約され、ペン軸には継ぎ目なく軋まない。
    高級品は長持ちする結果コストが低くなるのだと主張される。しかし高級神話を大衆に刷り込むことにその能力を傾注し高級品質を疎かにしては使用者に不利を招き長期的視野を失い、その場合には何かにつけ「高い」ことが負債となる。
     してエクリドールはどうか。私はこれを常用しておらずその耐久性に直接言及できないが、本品と同構造のアルミ製849に不都合ない。
 また替芯は書き味良く、書き出し擦れが無いといってよく、筆記距離が8000mあり、芯先のがたつきも感じられない。
文具評論家などと名乗り始めたことと低粘度油性による新製品登場とで、使用機会がめっきり減ってしまったが、今も快適に書き出せる。
  1. 2012/08/06(月) 06:30:00|
  2. ボールペンBallpoint pen
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0