アフィリエイトの文具評論家ブログ実装版The Critique of the Stationeries with an Affiliate blog

ぺんてる タフCB5, CB6

 N. J. コンテ以来、鉛筆芯は黒鉛と粘土を混ぜ陶器よろしく焼き上げて強度を増していたが、シャープペンシル用細芯にはそれでも強度が不足しており、現在我々が太芯と認識する0.9mm(.036インチ)芯を、その昔アメリカ人がreal thin-leadと呼んでいたくらい、黒鉛芯を細くするのが難しかった。
 大日本文具(現ぺんてる)は粘土に代えて合成樹脂を混ぜたポリマー芯によりシャープペンシル用細芯を1960年実用化(→ぺんてるライブラリー2003年12月)、この改良コンテ法を用いた鉛筆が同社の言うカーボングラファイト鉛筆であり、ブラックポリマー999 CB100を最初の製品として1986年に、折しもバブル経済期が始まる年に鉛筆産業へ参入した。
 その十年後果敢に発売された廉価版が本品である。既に少子化が進行して鉛筆需要が落ち、発売翌年には消費税増税され、国内シェアが低い同社が海外へ売り出そうにもアジア通貨危機が起き、そして押し寄せる電子化の波が止むこともなかった。
※ちなみに、アジア通貨危機の翌年1998年は墨芯鉛筆輸出率が最も伸びて20%台に、輸出額が前年の二倍になった年だった(1975年以後)。
一方、平均単価は前年の四割660円/グロスへ落ち、2000年まで一千円を下回った。1975年以降一千円以下はその三年間のみ(2008年以降輸出量単位がグロスからなんと重量単位kgへ変わったため、同年以降の輸出率は推定)。
2001年には平均単価が回復、輸出率も10%以下へ戻る。
 同社が時代を見誤ったのか市場が正しく評価できなかったのか、全く不運な鉛筆で、その優れた性能に気づいた者も少数だった。現在同社は残念ながら鉛筆産業から撤退している。

 普及価格のポリマー(樹脂)芯鉛筆。おそらく日本製、廃番。
両切り50円のCB5と、封蝋した60円のCB6があり、YesペンシルECB5、タフペンシルあかCB6RDなどに派生した。
同名シャーペンXQEを検索した来訪者は同名ブログhttp://nanos.jp/schzkr/blog/1/137/を参照されたい。

生産期間:1996 - 2002
φ7.8mm×176, 約4.5g
芯硬度2H-2B(Fなし)、芯径2.3mm/B
TUFF CB5
1ダース600円税別、両切り
銘は二面、銀文字
表銘;[Pentelロゴ] [TUFFロゴ] PENCIL [硬度表示]
裏銘;[バーコード] HI-QUALITY CB5 JAPAN [JISマーク][硬度表示]
TUFF CB6
1ダース720円税別、封蝋あり
銘は二面、金文字
表銘;[Pentelロゴ] [TUFFロゴ] PENCIL[硬度表示]
裏銘;[バーコード] HI-QUALITY CB6 JAPAN [JISマーク] [硬度表示]
JISマークは1998年以後廃止。共にダースは15cm定規となまえシールつき、紙箱入り。


ダース箱記載文
Carbon Graphite
●シャープ芯が鉛筆になった
カーボングラファイト鉛筆【タフペンシル】3大特長
1.強い 2.定着性抜群 3.経済性抜群
タフペンシルはオングストロームポア製法により均一で粒径も細かくなめらか、超緻密構造です。
※芯の減りが少ないので削る回数も少なくてすみます。
箱裏のレーダーチャートによれば、芯強度、書き減りにくさともに粘土芯の二倍。CB6の箱は金色。

3本組XCB6-HB3
Pentelのタフペンシルはシャープ芯と同様のハイポリマー製法の芯を使った高級鉛筆です。
3大特長
①強い!
②優れた経済性!
③定着が良い!

測定方法
①曲げ強さはJISに基づく折損強度器で測定。
②摩耗長さは一定荷重筆記で1m筆記の芯の減り具合を測定。
③汚れ度は筆記した部分の濃度と、そこにセロハンテープを貼ってはがした跡の濃度を測定し差が少ないほど良い。
★芯の濃度は同一です。
ご注意●筆記以外には使用しないでください。

 軸色はキリンACE50より少し彩度ある紺色で、塗り分けもない。木質はよくもなく悪くもなく、日本鉛筆としてふつう。
 芯はCB5、CB6でおそらく共通。CB6芯のほうが良質に感じられるが気のせいだろう。
 その書き味は粒状感少なくなめらか、脂ぶんも少なく、それでいて色が濃い。世界最高水準である三菱ユニやトンボモノを上回るなめらかな書き味を50~60円で提供するこれは強力な競合品だったはずだが、しかしその評判を聞くことは少なく、私自身この記事を書くにあたって積極的に使い、その書き味を「発見」したくらいであった。
 反面、芯密度の高さが欠点となることもあり、平滑な紙面では粘るような感触をもたらす。 [ぺんてる タフCB5, CB6]の続きを読む
  1. 2013/12/30(月) 06:00:00|
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三菱鉛筆 ユニポピュラー

 同社ユニ鉛筆が50円(現在90円)で発売されたその翌年に約半額で発売された普及版鉛筆がある。略称ユニP。
1975年に後継品ユニスター(50円、現在60円)が発売されて廃番となった。
参考資料→三菱鉛筆ユニ ニッポン・ロングセラー考 - COMZINE by nttコムウェア
※追加動画リンク→懐かしのCM - 三菱鉛筆 uni p - 1961 - YouTube

生産期間1959 - 1974(1975?)
φ7.8mm×176六角軸、約4.5g、芯径φ2.1mm/HB、φ3mm/3B
芯硬度:9H - 6B, 17硬度
価格1ダース360円(@30円)
樹脂箱入り、両切り・封蝋なし
銘は二面、芯硬度標示は三面に入っている
表銘:SUPER WRITING[三菱ロゴ]MITSU-BISHI / uni-popular /[芯硬度]
裏銘:Velvet Touch[JISマーク][芯硬度]
芯硬度標示は囲み文字かつ白抜き文字。
手元にあるユニPの銘は
HBと3Bが金文字、
Hと2Hが銀文字で、H系のみ芯先側にユニ・P銘が、SUPER WRITINGに代えてSuper Drawing銘があり、そして芯硬度囲み枠が六角である。この違いが生産時期か芯硬度によるかは不明。
 軸色はユニと同色なのだが、箔押しされた金文字の色合いに深みがないため、ユニより擦れた軸色に映る。


説明書
上:灰色外箱+uni-popular刻印入り蓋つき箱付属
下:黄土色外箱+MITSU-BISHI PENCIL刻印のみ蓋つき箱付属
三菱鉛筆はさきに技術の総力をあげて、世界水準をぬく鉛筆ユニを完成しました。それより2年、ユニの改善に日夜努めるとともに、高級鉛筆の一層の普及を考え、実用を主眼としたユニ-Pを再び世におくります。
ユニ-Pは最高級品ユニに準じたシン、塗装、包装などを簡略化して、できる限りコストを押さえました。
その目的は、学校事務所、工場で高級鉛筆を手軽に使用して頂くところにあります。
ユニ-Pは次のような、他に類の無い特長をそなえております。
①最高の材料と技術による滑らかなシン
②描き減りの少い、折れにくい緻密なシン
③厳密な製造管理による精確なシンの硬度
④感光紙に対する、描線の優れた光線遮断力
ユニ-Pは、世界的な水準を上回わるおなじみの高級製図鉛筆==ユニの普及版です。
ユニ-Pは ユニに準じたシンを用い、塗装・包装などを実用本位に簡素化しました。
ユニ-Pは、厳選した材料を三菱鉛筆独自の技術でつくりあげています。
ユニ-Pのシンは―――――――
①書き味はズバ抜けてなめらか
②描き減りしない
③折れにくい
④硬度は精確
⑤光線遮断力が優れているので青写真・コピーにも最適

 芯の均質化と高密度化を特長にしたユニは、三菱に先駆けてトンボが均質化を果たしたホモ鉛筆(1952年発売、1963年にモノ鉛筆へ発展した)への対抗でもあった。鉛筆品質の最大の違いは芯にあり、日本製鉛筆はこのころから舶来品に並び立つどころかそれ以上となる。
 その普及版である本品の「ユニに準じた」芯がユニと同じなのか、製法を一部簡略化したのか、はたまたユニPこそがユニの妥当な価格であったのかは判らない。それでも17硬度あったのが素晴らしい。

 同社の思惑としては、高級品ユニで客寄せし、続いて発売する普及版ユニPを買ってもらうことだったのだろうが、現実にはユニが売れてしまって本品の影が薄くなったのではないか。
 何にせよ社会階層の壁を越えて普及させようとした点が素晴らしい。
日本が発展した理由の一ツは教育で底辺層を底上げしたことと考えている。埋もれる技能が埋もれずに済んだ反面、情操教育では平均化が為されていたから磨り潰された才能もあったことだろう。
とはいえ、それが労働集約産業を中心とする経済発展期に合い、また階層化を促すことは、かつてのインドを例にするまでもなく間接統治されやすくなることだから、経済植民地化を防ぐことでもあった。 [三菱鉛筆 ユニポピュラー]の続きを読む
  1. 2013/12/20(金) 06:00:00|
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三菱鉛筆 局用鉛筆

 「局用」は逓信省、後の郵政省に納入され郵便局で使用されたことに因む。近代化途上にあった日本の傍らにいた鉛筆であり、公文書作成にも使われてきた。供与された軍事技術とも個人情報とも異なるそれら公文書が、公約違反が常態化している国で軍事機密に乗じて原則隠蔽されるとすれば胡散臭い国史となり、国家の正統性/正当性と行政司法の信用が失われ、目的がすり替えられるだろう。

生産期間1901 - 1959
φ7.6mm×176丸軸、約5g、芯径φ2.3mm/B
芯硬度:1号/3B/黒軸、2号/B/朱軸、3号/2H/透明ニス塗り軸
価格不明(発売時1ダース12厘)
紙箱入り、両切り・封蝋なし
銘は二面、縦書き
表銘銀文字:[芯硬度] [三菱ロゴ] 三菱鉛筆 三菱鉛筆株式會社謹製
裏銘金文字:[JISマーク] 局 用 鉛 筆


箱裏口上
明治20年、我が国鉛筆の始祖真崎仁六氏によって創設された三菱鉛筆が、幾多研鑽の末に国産鉛筆として初めて日本政府に採用された鉛筆であります。以来局用鉛筆の名で諸官庁会社の事務に広く用いられて居ります。
 局用鉛筆は1986年つまり同社百周年の前年、そのことを記念して復刻された。600円で売られ、紙箱以前の出荷形態、紐で結束された。
更に2004年、東京銀座の文具店伊東屋が創業百周年を記念して復刻し1600円税別で売られた。復刻版の生産期間は不明。

 私有品は廃番間際――同社が社名を三菱鉛筆に変えたのが1952年であるから、このロット番号147B或いはI47Bは最後の8年間に生産されたもの。
 木鞘が同社現行品より削りやすかった。私は丸軸をどう削ればよいのかわからず、円錐に削ろうとしたりしていたが、三角軸鉛筆を参考に四角錐に削ったら案外よかった。 [三菱鉛筆 局用鉛筆]の続きを読む
  1. 2013/12/10(火) 06:00:00|
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