2009年5月ごろ発売された大容量替芯を装備する1000円油性ボールペン。リクルート用と思われる。日本製。


軸径は太めで金属製ながら表層0.5mmのみのためさほど重くなく、重心も少し前寄りで取り回し易い。金属部品は胴軸の他には口金、クリップ、ばねだけで、それ以外はノックボタン等銀色部分さえも樹脂だろう。クリップ基部を含む尾軸(+中軸)も樹脂だが、色調も質感も金属軸ときれいに調えられている。
軸色は5色、日本製文具ではもはや伝統的な自動車風金属調塗装だが、黒とシャンパンゴールドは艶消し塗装にされている。自動車風はやめてほしいのだが、クーペだからこれでいいのか?
軸前部の点も塗装で、僅かに盛り上がっており僅かに滑り止めとなる。やがて剥がれるとしてもゴムよりは長持ちするだろうし質感も劣化しないだろう。
幅広クリップは生地に優しく、難なくポケットに挿せる。

出荷時のラベルには替芯として
新油性インクBRFN-10Fが指定されているのに対し、付属芯は従来型油性インクBRF-10F、解せないが在庫処分というわけでもないようだ。
BRFN-10Fとその67%のインク容量である
BRFV-10Fが同じ筆記距離1200mというのも解せない。パイロットに問い合わせた際に聞き間違えたのだろうか。パーカーは6000m以上、10,000mとも言われる。
※替芯については
クーペ第二回も参照されたい。
カランダッシュ849等に比べノックストロークが長くその感触は悪い。
ノックすると、ボタン頂部の小孔から見える水色の部品が隠れ、芯先を出したままポケットに挿さないよう注意を促す小粋な機能が仕込まれている。水色は安全を示しているのだろうが、この軸色と合わないのは残念だ。
ペン先にガタつきがあるが殆ど体感できず不快感もない。
1000円台単色ボールペンの替芯は大容量にしてもらいたいものだが日本製品は期待に反すること多く、この価格帯の油性ボールペンを所望するなら、外見においても中身においてもOHTO以外の日本ものは薦められない。いくら書き味に優れるとしてもだ。パーカージョッターを買ったほうがいい。
しかしこれならいいだろう。
参考リンク→
箱から文具をひとつかみ
- 2009/10/25(日) 06:30:00|
- ボールペンBallpoint pen
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おひさしです。
ご存じと思いますが、クーペは99ミリ前後?の標準的油性リフィルが入ります。
それとジェットストリームのレギュラーリフィルも、94ミリくらいでカットすると使えます。少しインクを減らしてからでないとカットできませんが、今はクーペにジェットストリームの0.5mmを入れたときの書き味がしっくりきてます。
あとジェットストリームのFシリーズ用リフィルも0.5mmがあり、しかもAインクのリフィルとほぼ同じ長さですが、その変換アダプターは同じ長さなだけにかえって作りづらいです。バネ押さえもないし...
- 2009/11/01(日) 02:20:43 |
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- みみどん #z8283xuI
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おひさしです。
99mm前後の標準的油性リフィルというのはJIS B型替芯のことですね。
いや、B型が合うことには気づきませんでした。これはお見事!
Fシリーズ用替芯のほうはパイプで覆ったらどうでしょう。
内径3mm、外径6mm以下で長さ65mmくらいだったら、ばね押さえにもなるんじゃないでしょうか。
接着が難しいとすれば、後端付近に、中心線と直交する孔を開けて棒を通し、連結するのはどうでしょう。
- 2009/11/01(日) 15:34:53 |
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- 魚眼 #-
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ありがとうございます。
Fシリーズの芯を入れればバネ押さえも兼ねてそれでOK、みたいなアダプターしか頭になかったのですが、リフィルにも穴を開けて固定、は目ウロコでした。
今度やってみます。
パイロットの、このクラスのAインク規格のリフィルが入るペンは、芯を押してる樹脂部品に穴があいてて(って安いペンはたいていそうなんですが)、クーペはさらに穴が階段状になってるようです。だから直径3ミリのリフィルだと奥まで入って99ミリで、4ミリだと5ミリ短くなって94ミリ、5ミリ以上の太さのリフィルだと穴に入らず89ミリって感じです。
それともう一つ、クーペの替え芯がAインク指定なのにデフォがAインクでない件。Aインクではないほうも製造していて、デパートなどで注文すれば手にも入るそうです。でもあとから売るほうは高いほうを売りたいのでAインクご指定なんだそうな。どうやらコストが問題らしいです。
- 2009/11/01(日) 19:01:37 |
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- みみどん #z8283xuI
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いえいえ、こちらこそありがとうございます。
φ4mmが入るなら、アクロボール用替芯を短くすれば合いますね。
ゼブラJK芯(多色サラサ用)もばね押さえをつければ合いそうです。
クーペは利益率が低いのか、Aインクは開発費がまだ回収できてないのから付属替芯がBRF-10なのかな?
生産ラインを分けるより一括したほうがいいような気もしますが……
- 2009/11/04(水) 21:34:48 |
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- 魚眼 #-
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アダプター付けやってみました。内径3ミリ強、外径5ミリのタミヤのプラパイプ利用です。径はバラついてるようで、所々キツいですが何とかしました。
インク減らさなくても使えるのはグッドです。レギュラーと比較するとちょっとガリるようですが、当たり外れがあるかも、です。
それとジェストの0.7mm芯は裏写りが激しいことに気付きまして、使用頻度の高いペンから順次0.5mm化してます。が、問題はインクを減らさないとカットできない軸、と「貧乏性」。使えないのに捨てられない。そこで不要のリフィルを何とか再生できないか、0.5mmのペン先チップを移植したりしてます。
- 2009/11/18(水) 23:15:57 |
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- みみどん #z8283xuI
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こちらもやってみました。クーペfeat.スタイルフィットandコレト。ゼブラ多色サラサJK芯や三菱鉛筆UMR65芯はもう一工夫必要で成功しませんでしたが、ゼブラサラサはJF芯を加工したほうが簡単なことをいまさっき思い出しました。
新製品のジェットストリームカラーインクシリーズのSXR-81-0.5mm芯も、類を見ない長さ(120.5)ながらφ3mmで流用しやすいようです。
0.5mmボールだとインクを減らすのも時間がかかりそうですね。替芯の逆流防止剤に構わず短くするか、替芯後部を桂剥きにでもしてφ4mmまで細くできればあまり短くせずに済むのでしょうが……。
マルマンユーロラインノートでは裏写りがほとんどないことを確認していますが、ジェットストリームは修正テープとも相性があるらしく、世間が追いつけない感じです。
- 2009/11/20(金) 22:49:53 |
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- 魚眼 #-
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ペン先チップをいったん抜き取り、ティッシュでインクを吸い取って減らす、って手はいかがでしょう。チップを0.7mmから0.5mmに交換(インクの粘度が違うらしいのでお勧めはしません)するのは何度かやったので、たぶんできると思います。
あと気泡は、ハンドモーターにリフィルを養生テープで貼付けて、遠心力で抜いてます。
Aインキにオートの0.5mmチップをつけたのが色が濃くてお気に入りですが、さすがにゲルインク用チップを油性リフィルに付けたのは不調です。ペン先を拡大してみるとボールが濡れてなくて、書くとボールがインクの十戒してるみたいになります。
- 2009/11/22(日) 15:33:14 |
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- みみどん #96lDoCEY
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おおーなるほど。しかしそれでしたら逆流防止剤のほうを吸い出してみたらどうでしょう。
SXR芯を桂剥きにすべく削ってみました。それで気づいたのですが、インク収容筒はバウムクーヘンのように多層構造になっており、表層を削るとφ4.05mmに、さらに削るとφ2.8mmになりました。
SXR芯の後端18mmをφ2.8mmに、そこから6mmをφ4.05mm(場合によってはもう少し細く)にして、全長98~99mmにすれば、新品替芯でも逆流防止グリースに数mmかかるくらいでクーペに装填できました。
ペン先移植までいくとさすがに経験ありません。内部ばね移植が難しそうですね。
- 2009/11/22(日) 23:19:37 |
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- 魚眼 #-
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15倍くらいのルーペで断端を見てビックリでした。はっきり3層構造になってることが分かります。カットするとき硬くていつも苦労するんですが、こんな秘密があったんですね。
で、ふと思ったのですがこんなに頑丈にする理由は何なんでしょう? 書き味の問題ですかね?
逆流防止グリース層を乗り越えてのインクの吸い出しも、針の長い注射器でできそうです。これがいちばん簡単かな?
- 2009/11/23(月) 03:00:57 |
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- みみどん #96lDoCEY
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>JETSTREAMではインクに揮発性の高い溶剤を使っていますが、従来の溶剤と違って水を吸いやすく、インクが劣化しやすい。
http://it.nikkei.co.jp/business/column/monotukuri.aspx?n=MMIT2J000024022009
だそうです。
替芯材料によく用いられるポリエチレンは通気性がわずかながらあるそうなので、外気を遮断するために他の材料を挟んでいるか、多層構造にしているのではないでしょうか。
- 2009/11/24(火) 23:57:47 |
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- 魚眼 #-
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外気との遮断でしたか。
で、どうやらジェストの多色芯も多層構造になってそうです。そのせいか内径は従来の芯のように細く、0.5mmボールなのに目に見えてインクが減る(計算上、インク量はレギュラー芯の1/4以下)ので、今後はレギュラー芯桂剥きまたはインク吸い出しは避けられない事態となりそうです。
それと先日SXR-80-05(赤)を10本、「間違えて購入した」という方から安く落札したので、これをドナーにして既存の使いかけSXR-7(黒)に移植、復帰させる予定です。またボールを押してるスプリングはチップに内蔵・固定されてるのでとくに問題はありません。色が違うのでアルコールに漬けての洗浄は必須ですけど。
- 2009/11/26(木) 13:25:21 |
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- みみどん #96lDoCEY
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万年筆用インクカートリッジもポリエチレン製が主流なのですが、年月を経たものはインク量が目減りしています。
通常の油性インクには逆流防止剤もなければ多層構造もたぶんないので、ジェットストリームはやはり特殊なインクだと感じます。
ペン先がユニット化されているとは、外してみないとわからんことですね。
- 2009/11/28(土) 22:13:20 |
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- 魚眼 #-
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お二人のハイレベルな応酬(?)と比べると、全くの駄文ですが。。。
もともとは細字組の私が何故か太字幅のリフィルを合わせてみました。
一般文字を書くには BRF-25B 位までが良いのでしょうが、入手元が改装中にて再入手困難中。BBをそのまま強引に使ったりしています。
極細では、先日 BRF-25FE を見かけた時に買いそびれた。。。
- 2010/09/11(土) 22:45:42 |
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- Hagy #-
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パイロットのクーペは高級感もそこそこあって、アクロインクの書き味とも相俟って最高のボールペンだと思います!それからメタルボディーのアクロインク(定価300円)をセットすると、より高級感が増しますよ!
- 2018/01/08(月) 18:34:17 |
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- Vermilion Swan #-
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一週間くらい間が開いてしまってすみません。
BRFN30を入れるとちょっと重くなるんですよね。私もクーペが過不足なく小気味よい良品だと思います。
- 2018/01/14(日) 12:14:23 |
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- 魚眼ドロップ式 #-
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