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ぺんてる ビクーニャEX BXW1375

ぺんてるビクーニャEXリフィル黒
ぺんてるビクーニャEXリフィル赤
【ぺんてる】消耗品替消しゴムLCE-5(5個入り)

 日本製低粘度・新油性ボールペンの多くは百円台、高級感がない。高級感への第一歩は替芯を金属芯化することと考えられる。
そして本品はジェットストリームプライムより一年半以上早く金属芯化された低粘度油性ボールペン。なのに、さほど話題にならなかった不遇な製品。2012年2月発売、日本製。
三芯・二機能(黒赤ボールペン+0.5mmシャーペン)、回転繰出式、軸色5色。

 外側が安っぽい本品も内側を見ると良質感と高級感を得られる。作動の感触も悪くない。
 替芯は、原製品ビクーニャBX157や普及版多色ビクーニャBXCとは型式も材料も異なるJIS油性D型を採用し、書き味はそれらより良く、氷上を滑るようにするするグラススムーズだった。なるほどこれが、剛性を増した替芯及びペン軸による書き味倍増効果か。
ノック式にせよ回転式にせよ繰出式ボールペンはその芯先がガタつく。本品もその例外ではないが、実にうまくごまかしている、いや回避している。
クリップを上向かせ、手に干渉しないように握ると、芯先ガタツキが解消する。回転繰出式かつ複芯式だからこその仕掛け。
 低温に弱い旧来の油性ボールペンと違い、低粘度油性インクは(本品に限らず)温度に左右されずに書けるのが大きな長所。書き出しもかすれない。
 そして低粘度インクは色が濃く線が太く見えるから、0.5mmボールを追加して手帳への書き込みに対応すべき。
 次回はプラチナ万年筆サラボ

●操作法
・ペン軸をひねって(回旋して)ボールペンを繰り出す。
・シャーペンは、その機構部を繰り出したのち上軸・後軸そのものを押してノックするキャップスライド式。
・色を選択するにはペン軸を120°ずつ回して、黒→赤→シャーペン→黒……と繰り出し、任意の位置で停める。逆回転可能、片手で操作可能。
 回転式は色選択に手間がかかるうえ本品ペン軸には色・機能表示なく、どの芯先が出てくるか明らかでない。
 携帯時もシャーペンを出しておくと、左右いずれかに120°回せばボールペンを出せて240°回すことがない、などの対処法もあるが、最善の対処法はあくせくしないことである。

●ペン軸
機能表示ナシ。
ペン軸形状が平凡な形になってしまった。
他の同社製品に較べペン先露出が少なく、やや見づらい。

 前軸・下軸が真鍮製。重量配分が調整され、ほぼ中央に重心がある。
真鍮に安っぽいメタリックなABS樹脂外装を被せることはないと思うが、そのおかげで表面がすべりにくい。ABSのうちゴム成分が多いに違いない。

●クリップ
問題はクリップ基部が天冠を浮かせていることだ。そしてズレやすい。
ただポケットに挿したとき(クリップが最も目立つとき)にはズレが目立たない。
狭持力が十分で機能的には満足できる。

●頭冠・天冠
真鍮製、約2g。パイロットLFBK-2Sの合成樹脂製天冠よりも満足感を与えてくれるが、重心を後ろへ移してしまうため真鍮製前軸で均衡している。
替えゴムLCE-5、非塩ビ。
 贅沢を言えば、ポケットから取り出す際つかみどころがない形状が難点。

 前軸・下軸を引き抜き、さらに替芯を引き抜いて替芯交換。
◆替芯KBXES7, φ2.35mm×67, ペン先径2.3, JIS油性D型、黒赤、ボール径/筆記距離;0.7mm/約150m。日本製。
箱裏取説、箱ナシでも出荷されている。

ぺDa)ぺんてるKFS
ぺDb)同KBXES7(本品)
ぺB)同BXS7

プDa)プラチナBSP-100S
プDb)同SBSP-120S

ゼDa)ゼブラ4C
ゼDb)同ESB芯
ゼB)同EK芯
菱Da)三菱SE-7
菱Db)同SXR-200
菱B)同SXR-80

Da)JIS油性D型(φ2.35mm×67)及び派生品、油性インク
Db)JIS油性D型及び派生品、低粘度インク
B)JIS油性B型(φ3mm×98.2)及び派生品、低粘度インク
B型は普及品多色・多芯・複芯式に多い。
●互換性;同社KFS, セーラー18-0103, トンボBR-VS及びBR-VMP, パイロットBRF-8及びLHRF-20C, プラチナBSP-100S及びSBSP-120S, 三菱SE-7及びSXR-200, ステッドラー92RE, パーカー小、ファーバーカステル148760, ペリカン38, モンブラン116用、ラミーM22, ロットリングR074 42*等々
代用品;ゼブラ4C型(但し把芯管が緩くなる)
互換不可;OHTO R-4C7NP(取付可能、但し回転動作が制限される)

・替芯が色別されているが、それが赤のみ、黒にもあったらよかった。

●書き味
・インクが三菱ジェットストリーム以上に低粘度。今月紹介するうち書き味が最も優れる、どころか良すぎる。
 正直に言おう、書きづらい。
品質が低劣だからではなく、逆に優良でペン先がブレずボール回転も安定し工作精度もペン軸剛性も高いだけに、なめらかさが際だち、結果必ず字が踊る。素人がフォーミュラマシンを操縦できないのと同じだ。
・書き出しかすれナシ。但し初回(おろしたて)ではインクが出ない。
・ダマ無し。但し、万年筆のように軽く書けるからと筆記角度浅めに握るとボテが頻出する。
◆シャーペン機構部
芯径0.5mm。芯繰出量0.55mm。
機構部を引き抜いたのち、取付部に芯を補充。
同社スリッチーズS+2やパイロット ハイテックCコレト用シャーペン機構部と同一、であるからして0.3mm化可能。ゼブラ シャーボX及びプレフィール用不可。

 もうそろそろシャーペン取付部をボールペン把芯管共用にしてもよいのではないだろうか。
 ペン軸に色表示が明示されていない回転繰出式では、インク色を黒赤以外へ変えたりシャーペンをボールペンへ換えても違和感ない。不明瞭な色・機能表示を逆用して拡張性を内包させられる。
 制限された窮屈な多機能も悪くはないが、開放された多機能なら、将来も互換品によって更新させられる利得がありそれが好まれる、と推察している。本品が使い捨てであったら将来性・継続使用など考えられようはずがない。

 個人のボールペン選択基準についてつらつら考えてみるに、書き味で選ぶ人は替芯指向に逢着すると思う。高精度で優秀な替芯を造れるぺんてるはこの点有利なはず。
 しかし性能が一番でも市場を征服できるわけではないことをブラックポリマー999やタフ鉛筆が示している。
 1990年代にパーフェクトペンシルで鉛筆を刷新したファーバーカステルと対比するとさまざまな示唆を与えてくれる。
 競争原理が適切に働くのは、その産業分野(枠組み)が陳腐化・衰退していないうちだけであって、衰退してから革新技術をもって新規参入しても、先行者利益を得てブランドを確立した者に追いつくのが困難と思わせる。

 本品が手に合う者は少数だろうし、おそらくジェットストリームプライムほど売れないだろうけれども、その優秀な性能は評価されるだろう。

関連記事→付録:夏の低粘度油性ボールペン

  1. 2014/03/12(水) 06:00:00|
  2. ボールペンBallpoint pen
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