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三菱鉛筆9850


 私は消しゴム付鉛筆が嫌いだ。あれらの消しゴムで字を消せたことがない。リラ プロナチューラも消しゴムナシ2511を輸入すべきなのに、なぜか消しゴム付2515ばかりが輸入される。いくら日本が米国の属国で文化的にも英語の影響著しくて現代日本語が英語の補助無しに成立できないといえども、鉛筆の好みまで同じなんてことはない。

 そこで三菱9850と出会う。黄色い9852ではなく赤い9850だ。同社ユニより濃い軸色に銀文字が美しく、白い消しゴムがまた似合っていた。今回は消しゴム付鉛筆9850である。おそらく日本製。
発売年不詳、品番からすると9852が派生でこちらが元に思うが未詳。

φ7.8mm×188、六角軸、約5g、1ダース720円税別、芯硬度HBのみ、芯径2.1mm
銘は三面にあり
MITSUBISHI
PENCIL CO., LTD.
"MITSU-BISHI" [三菱ロゴ] 9850 *HB*
SMOOTH WRITING PENCIL FOR Office Use *HB*
[バーコード] *HB*

 9850の軸色は9800の深緑と並べると映える。黄色や藍色とも映える。9852限定品は五年に一度くらい増産したらいいんじゃないだろうか。
芯と木鞘
・同社9800と同芯質に感じる。
・軸木は日本の鉛筆。悪くもなく良くもなく。
・単品で買った品にはバーコードのかわりに斜体で「リサイクル鉛筆/エコマーク商品」と入っていた。なにがリサイクルなのかこれまた不詳だが、集成材ではないようである。
※2016年1月16日訂正;集成材だった。その接ぎ目が現在主流のものと異なる。9850追加画像
それの消しゴムに老化が見られなかったからてっきり最近の生産品だと思ったら古いようだ。ロット番号99EC322だった。現行品はエコマークなし。

消しゴム付鉛筆が劣勢なのは、その消しゴムのせいと言ってもいい。残念ながらこれも例外ではない。
◆消字力;やや低い
・そんな消しゴムでも新聞紙では遜色なく消せる。むしろ一般的なノート用紙が不得手。
・非塩ビゴム使用。変更時期不詳。天然ゴムより老化(劣化)しにくいが、しないわけではないから長期放置するものでもない。

*1行めは書いて消す行為を1回、5行めはそれを5回繰り返した。
*各製品の芯を各製品の消しゴムで消した。
a)Koh-I-Noor SUDOKU1350
b)本品
c)トンボ2558/HB
d)ジャノメ(アイボール鉛筆)ゴールデンソード/HB
e)青森県立美術館鉛筆(伊東屋イートンペンシルと同型、元はおそらくキャメル鉛筆No.CA-P4)
f)ロディア鉛筆
g)パロミノ ブラックウィング602
この反復消字試験ではトンボ2558以外どれも大したことないが、筆記で一・二回消すくらいならどれもうまく消せる。
また紙によって消字力に差が生じ、日本の代表的なノート用紙は塩ビ消しゴムとポリマー芯に最適化されているらしく概ね性能が落ちる。それでもなんとかなる。

 問題なのは鉛筆キャップや補助軸に挿すと消しゴム側を使えないこと。貫通型補助軸もあるが鉛筆が短くなればやはり問題に直面する。
 鈑ばねで鉛筆を挟む形式の鉛筆キャップ・補助軸なら手軽に脱着できるから、消しゴムを使う際にも手間が少なく、さらには野外へ携帯できる。これがその利便性を発揮するのは室内より室外である。それなら二本携え、一本を消しゴムとして使い、もう一本で書き、芯先が鈍ってきたら逆転させる使い方がある。
消しゴムを携える方法や消しゴム付補助軸もあるがここでは触れない。→SEEDスレンディ+ →F-C187000イレーサーキャップ →トーキン ハイカラホルダー

 適合補助軸はクラフトA×分度器ドットコム補助軸及びキャップ。ファーバーカステル #9000及びUFOパーフェクトペンシル用も挿せなくはないが寸法差がありキツい。
もっと身軽な方法には鉛筆に直付けするクリップがあり、それなら消しゴムも使いやすい。

 9850/9852の一変種であるユニコーン鉛筆。連絡先が三菱鉛筆と同じ。どのような事情でこのような姉妹品が生まれるのか、世界は不思議に満ちている。

 イートンペンシルに似た青森県立美術館鉛筆は、これをみに行ったときに買ったもの。価格はあれの三倍。案の定売れ残っているようである。数年前には月光荘8B鉛筆を扱っていたというのに。
思ったこといろいろ。
・展示品「少女通学すごろく、少女世界第15巻第1号付録」(1919年、掲載番号33)から「行き」の音便「ゆき」が大正時代には使われていたことを確認できる。と思ったら→「いく」と「ゆく」

・この美術展のために太宰治「女生徒」を原作とした短編アニメーションが制作され上映された。
太宰にはあまり興味がない、むしろ嫌いなくらいだが、これは好印象だった。
同じ企画者らによる「ロボットと美術」展でもテーマに沿ったアニメが制作され上映された。
二作ともDVDが発売され美術展会場で販売されたもののAmazonにはない。

・大正昭和初期の漫画家松本かつぢの画に惹かれた。当時の漫画家は挿絵画家に近かったが松本は今風のコマ漫画も描いている。
立ち止まっているヒトを真上から見たとき、その重心はヒトの身体からはみ出さない。しかし真下から見たとき、接地した足を外周にした四角からはみ出すことがある。そのときヒトは倒れそうになる(または座っている)。倒れる前に足を出せば歩く。
重心から伸ばした鉛直線を足場の外周ギリギリに位置づけたり、はみ出させたりすれば、倒れそうに見える人物画が描ける(この足場にはなにか術語があったがなんというか忘れた)。
これらを応用すれば静止画に躍動感を出せる、そして松本かつぢはこれがとてもうまい。舞踊か彫塑の素養があったんじゃないだろうか。

・近年描かれた油彩も展示され、それらの題材はスーパーリアリズムもあれば非現実的なものもあるが、どれも写実的表現で塗り方が平面的。
19世紀半ばから20世紀前半にかけて、ゴッホを好例として絵の具を荒々しく厚く盛りつけ、わざと筆ムラを残した油彩が散見される。ゴッホはアールブリュットだから例外扱いしてもいいが、専門教育を受けた画家にもこの画法が散見される。印刷してしまえば失われる筆致が、一品制作を特徴づける画法でもあり、機械の時代への抵抗だった、と解釈してる。
しかしいま、平面絵画は再び具象表現と平面的な塗り方へ回帰しつつあることが見てとれる。
  1. 2014/12/24(水) 12:00:00|
  2. ┣鉛筆Pencil
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