アフィリエイトの文具評論家ブログ実装版The Critique of the Stationeries with an Affiliate blog

パロミノ ブラックウィング602


 私は消しゴム付鉛筆を認めようかと思っている。*たぶん必要と思うので注記するが、この文に政治的暗喩はない。

 大恐慌の1930年代半ばにエバーハードファーバーから発売され1998年に廃番となったブラックウィングは、米国の伝説的な鉛筆。http://blackwingpages.com/が詳しい。
2010年、鉛筆用材会社CCPC(カルシーダ)の子会社パロミノが伝説を継いで、艶消し黒軸に白い消しゴムを付けた軟芯鉛筆を発売し、翌年5月、元型と同じ品番602と象徴的な宣伝文句「筆圧半分、速さ二倍」を鋼灰色の軸に記した、より元型に近い姿の本品が発売され、2013年には白軸が追加された。
 米国人ではない私にとってこれは新しい鉛筆であると同時に、どこかで出会った鉛筆である。日本製。

φ7.8mm(最大幅約10mm)×201、六角軸、約6g、1ダース2160円税別
芯硬度:非公表だが602:B, 白軸:2B, 黒軸:4Bと目され、芯径は各々φ2.1mm, φ2.25, φ2.35
銘は二面にあり、金字
表銘:[パロミノロゴ]PALOMINO BLACKWING・602
裏銘:HALF THE PRESSURE, TWICE THE SPEED
銘は各軸色により少々異なる

芯と木鞘
・最初に、元のブラックウィングを私は知らない。
・芯質は日本製らしく脂っこくなめらか、やや粉っぽい。北星鉛筆9500や三菱9800に似る。
・黒軸の書き味が北星かきかた三角4Bに似る。芯はオリエンタル産業製か。
・軸径は北星9500(φ7.7)ではなく三菱9800(φ7.8)と同径。
・ロット番号は見当たらない。
・軸木はCCPCが供給する北米産インセンスシーダ。日本製鉛筆は殆どこの樹種。
・フェルール(消しゴム受台)は六角軸側面と平行に取り付けられるが、ずれていることもある。

 特徴的な消しゴムは非塩ビ(TPE)製ながら天然ゴムのような消し心地。中国製。
◆消字力:良好
・消してみると研磨剤が多い印象だが、紙面は傷んでいない。
・脂ぎった日本製黒鉛芯を消すには力不足に思えたが、リヒトラブ ツイストリングメモやモレスキン カイエでは十分だった
・使い減ったら引き出せる。近年、同構造の消しゴムをパイロットがケシキーパーの名で商品化した。
・交換可能。未輸入ながら色違い替えゴム10コ入りあり。
・フェルールが幅広なため補助軸に入らない。しかし酔狂な人間がいるものである。→工房Q - 伝説の鉛筆補助軸「黒翼エクステンダー」


*1行めは書いて消す行為を1回、5行めはそれを5回繰り返した。
*各製品の芯を各製品の消しゴムで消した。
a)Koh-I-Noor1350/2B
b)三菱9850/HB
c)トンボ2558/HB
d)ジャノメ(アイボール鉛筆)ゴールデンソード/HB
e)青森県立美術館鉛筆(伊東屋イートンペンシルと同型、元はおそらくキャメル鉛筆No.CA-P4)
f)ロディア鉛筆
g)本品
この反復消字試験ではトンボ2558以外どれも大したことないが、筆記で一・二回消すくらいならどれもうまく消せる。

 ブラックウィングは一本180円税別と少々高価だ。米国価格1ダース$19.95@$1.66、1グロス$189.98@$1.32だから日本価格は同程度かやや高い。反面、原材料費が値上がりしてもそれを吸収できる価格設定だから、通貨安政策下でも値上がりしないだろう。
 パロミノはほかにも日本製鉛筆プレミアムを1ダース$12.95で売っており、米国製ゴールデンベアを1ダース$2.95、プロスペクターを$2.25で売っている。
そして元のブラックウィングが一本50¢だったから本品は米国でも高価と見られ、発売当初は冷淡視されたりしたようである。
※伝説的だという理由のひとつは、ネットオークションで一本$40の値がついたこと。
再発された本品によってもちろん値崩れした……とはいかなかったようである。

 米国はかつて鉛筆大国だった。統計資料がないが(1970年に生産量世界一という資料があるがそれ以上はわからない)しかし20世紀前半、芯折れ対策を巡って各社が開発競争をしていた鉛筆大国だった。
 日米間には密接な国交があり、1960年鉛筆貿易自由化の折には日本の鉛筆業者が輸入品の脅威を危惧していたにも係わらず米国製が日本で普及しなかったのは不可解なことだが、代わりに軸木が米国産で独占された。しかしいま米国では鉛筆国産率が14%(2008年)に減った。
 それでもまだ鉛筆工場があり、パロミノ自身も米国製鉛筆を販売し、中国製鉛筆を攻撃することに余念がないというのに(といってもCCPCも製材所を中国へ移している)、いわんや伝説的な鉛筆なら自国製造すればいいと思うのだが、先進国しかも「金融帝国」では資本集約産業こそが産業であり、もはや旧来の労働は罪なのだ。
※追記2015年2月21日;フェルール付け工程(ほぼ最終工程)は米国内で行っているそうだ。


 Blackwingをブラックウィングと表記するのは、日本語ATOKがブラックウイングより先にこれを表示したから。

【PALOMINO】BLACK WING 602

【PALOMINO】BLACK WING 725

【PALOMINO】BLACK WING 替え消しゴム (黒)
ブンドキ.com Yahoo!店

BLACKWING-602 FIRM ファーム 黒鉛筆 グレー 12本入り[PALOMINO BLACKWING(パロミノ・ブラックウィング)]

BLACKWING 専用替え消しゴム 10個分 ブラック[PALOMINO BLACKWING(パロミノ・ブラックウィング)]

BLACKWING 専用替え消しゴム 10個分 グリーン[PALOMINO BLACKWING(パロミノ・ブラックウィング)]

[送料無料]PALOMINO ラグジュアリースケッチブック&ポートフォリオセット オレンジ[PALOMINO BLACKWING(パロミノ・ブラックウィング)]

PALOMINO PREMIUM プレミアムペンシル 黒鉛筆 HB オレンジ 12本入り[PALOMINO BLACKWING(パロミノ・ブラックウィング)]
ABBOT KiNNEY JAPAN
  1. 2014/12/24(水) 20:00:00|
  2. ┣鉛筆Pencil
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<オートポイント オールアメリカンジャンボ#300-1, #3707 | ホーム | 三菱鉛筆9850>>

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://schreibzeugkritiker.blog105.fc2.com/tb.php/316-139f3fca
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)