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オートポイント オールアメリカンジャンボ#300-1, #3707


 冷戦後、持続性が無い方式にもかかわらず流行し始め、いまやこれでなければならないと囁かれるゴムグリップ。そしてパイロットDr.グリップがモンブラン146やペリカンM800とほぼ同径ということは万年筆狂のあいだでは知られた話だ。今月はやや太軸な、ゴムグリップではないシャーペンを紹介しよう。

 アメリカの老舗、しかし日本ではあまり知られていないオートポイント社の旧式な、だが現行品である回転繰出式。高級品ではなく、販促品として配られるような安物で、かつては米国内で広く普及していたという。Web Resources Concerning the Mechanical Pencil Industry in Chicagoが詳しい。
芯径0.9mm/1.1mm、同社は1.18mmを1.1mmと呼び、数独用にはそれがいい。1980年代?発売、アメリカ製。
 新自由主義により多くの軽工業品を輸入している米国だが、一度倒産した企業を再興してこんな旧式を復刻していることには感心する。しかも国内価格と米国価格がほぼ同じという良心的価格。同社直売サイトで二本注文すると半額になるので当然ではあるけれど。現在同社はタッチペン/スタイラスにも注力している。

 ステッドラー771/1.3mmやぺんてるタフXQE9、そしてパイロットがDr.グリップに.9mmを加えた現在では、太軸太芯シャーペンである本品の特異性が減った。そのうえ旧式な単動式回転繰出機構は
・自動給芯できない
・装填できる芯が短い(36mmまで)
など短所が多くシャーペン主客層の学生になびくところがない。長所は
・ノックボタン紛失がない
・静音性
・消しゴムが実用的
・芯がブレない
・高筆圧に耐える
・芯詰まりを起こさない
・残芯が極めて短く1.5mm以下
・ゴムグリップではない
などあるが旧態依然としていることに違いなく、これに価値を認めるのはゴムグリップ嫌いや雑貨好き大学生、また古いアメリカ様式を好む人々、そしてシャーペンの歴史に興味ある人々くらいだろう。

 形状も古くさく、直線的な十角軸(赤軸のみ丸軸)から伸びる鋭角的な口金など20世紀前半の様式、大きな消しゴムはアメリカ的だ。本品の原型は1930年代のS-76、1960年代のNo.76, No.176と思われる。
→Autopoint Company 1936 Catalog
→Autopoint 1964 catalog
同機構でも旧品とは部品に互換性が無いそうだが、1964年カタログの断面図は現行品と変わりない。

 私見では、ペン軸を短く持つ(芯先付近を握る)日本人が多数派。そこで短く握れる順に並べた。左から
ohto 木軸シャープ2.0
プラチナ プロユース1500
ペリカンD400
本品
私は30 - 40mmほどを握る少数派だが、本品は40 - 50mmあたりがいいようだ。
・十角軸はなかなか握りやすいが円錐部が直線的で長く、芯先付近を握る者は太軸の恩恵を享けられない。使い手も万年筆を使っているような旧式が望ましいようである。
・実用的な消しゴムとその台座のせいで重心がやや後ろ寄り。だが全体が軽く運筆に苦労しない。
・同社がグリップタイトティップと名付けた二叉口金が芯を挟み、ぐらつきを解消、残芯を1.5mm以下にまで短くしている。
●機構
旧式な回転繰出式のなかでも簡素な方式、単動式というらしい。
・芯繰出し量は両芯径とも平均2.1mm/回転。
・ペン軸を回旋すると内部の螺旋溝に沿って前進するプランジャ(針金のような芯押し棒)が芯を無段階で押し出す。
・芯押し棒が芯を支えるため高い筆圧に耐えられ、複動式(シェーファー タルガパーカー51)と異なり回しすぎても部品が傷まない。
・逆回転させると芯押し棒が後退するが、複動式と異なり芯が後退しない。芯を引き込むには、逆回転させたのち芯先を机等堅いものに押しあてる。
・片手で芯を繰り出せるものの作動はF - Cエモーションより重い。七年ほど前に入手した同社ツインポイントは軽くなったので、これもやがて回しやすくなるかもしれない。

 ペン軸後部に替芯を収納(付属芯5本)できるが自動給芯できず、一本使い切るごとに分解して給芯する単発シャーペンである。
●給芯
同社説明によれば
1. ペン軸円錐部を抜き出す。
2. 芯押し棒を回して外す。
3. 芯を入れる(後ろから)。
4. 組み立てる。
他の回転繰出式は芯を口金側から入れるが、これは後装式。
・芯を入れる円錐部(機構部)中心の金属管が芯長より長く、芯全体を支えて落下時でも芯折れを防ぐ。そもそも回転繰出式は単動も複動も芯に衝撃を与えない作動方式だから芯折れが発生しにくい。
・金属管内にある螺旋の溝に芯先端が引っかかることが一回くらいあっていいはずだが、中心が合っているのか溝幅が狭いのか内径が適切なのか、芯詰まりを起こしたことがない。
なんてことを書いておきながら私は芯詰まりを経験したことがある。5mm以下に折れた古くて短い.9mm芯(Ansonシャーペンに入っていた芯で、おそらく1970 - 80年代の米国製)を数度着け外していたら内部で芯が砕けた。他製品の突針を使って外すと芯は縦に割れていた。これを経験するには古くて折れた米国製芯を要するため極めて稀なことと思うが付記する。

◆替芯
0.9mmまたは1.1mm×35mm長。碼封度系表記では0.036インチまたは0.046"×1-3/8"長。替芯容器は蓋が気持ちよく抜ける古式ゆかしい紙筒、12本入り。
同社は前者をReal Thin Lead、後者をThin Lead/Standardと呼んだ。HB、Bのほかマークセンス芯(マークシート用)と色芯がある。双方とも黒赤青緑四色あるのがえらい。
 七年前に買った同社芯は書き味が堅く淡かったが、今回は双方とも多少書きやすい芯になっていた。
また日本製、クロス、ステッドラー等他社.9mm芯が使える。モンブラン0.92mmは合わない。日本製芯がグリップタイトティップを通るとき抵抗が小さく回転操作が軽くなることから、米国製より細いと考えられるのだが、その差が判らなかった。差は0.001mm単位に思うが、ひょっとしたら径ではなく潤滑性が違うのかもしれない。
 他社製1.18mm芯はe+mと古いエヴァーシャープしか持ってないが適合。カノエの1.15mm芯も合う。

◆替えゴム
未輸入。φ8.8mm×14.4、半年くらい放置しても硬化せず、おそらく合成ゴム。消字力良好。現行品は灰色だが往時は伝統的なピンク(おそらく生ゴム)だった。ohto木軸シャープ2.0用消しゴムで代用可。
 締め金を介して取りつけ、ぐらつかず空転せず脱落せず、それでいて容易に外せる。使い減ったら迫り出させることもでき、木軸シャープよりずっと実用的だ。しかしこの締め金がひっかかる。肌がやわらかい若年層へ買い与えるなら注意。

上左画像、*1行めは書いて消す行為を1回、5行めはそれを5回繰り返した。
**上段がオートポイント消しゴム、下段が木軸シャープ消しゴムでの消し跡

左から同社付属芯.9/1.1、三菱ナノダイヤ.9/HB、ぺんてるAinシュタイン.9/HB、パイロット ネオックスG.9/HB、ohto2.0/HB
紙はキングジム ショットノートNo.9190

 ペン軸内径6.2mmほど、替芯を30本くらい収納できるかと思ったら奥がすぼまっているらしく1.1mmで10本くらいだった。

下左、.9mm黄色軸は不良品だった。芯押し棒先端の仕上げ不良で、これくらいなら返品せずに直せると思ったら意外に手こずり、中心線を合わせることに気づくまで時間がかかった。今は問題なく芯を繰り出す。

上右、ジャンボというからにはスタンダードもある。それの消しゴムはφ6.7mm消しゴム(トンボ モノワン等)で代用可。

 オートポイント製品はAmazon.co.jpにはなくcalamel.jpその他にあるが、アフィが廃止された。陰謀があったに違いない!
2015年7月4日;しようがないのでAmazon.comに登録した。そしたらSeller(マーケットプレイス出品者)でもないのにTax Information Interviewを要求されて→Tax Information Interview Guideをちまちま訳しているうちに米国歳入庁サイトで所得税課税対象額が$5からと知ってレントシーキングって思ったりしたが、Amazon.co.jpがキンドル出版向けに提供している和訳を見つけてしまった。→税務情報に関するインタビューご利用ガイド
2015年8月2日;Yahoo!ショッピングに登録してやった。

【AUTOPOINT/オートポイント】All-American Jumbo シャープペンシル(1.1mm/レッド・丸軸)

【AUTOPOINT/オートポイント】All-American Jumbo シャープペンシル(1.1mm/ライトブルー)

【AUTOPOINT/オートポイント】All-American Jumbo シャープペンシル(1.1mm/アイボリー)

【AUTOPOINT/オートポイント】All-American Jumbo シャープペンシル(1.1mm/ダークブルー)

【AUTOPOINT/オートポイント】All-American Jumbo シャープペンシル(1.1mm/イエロー)

【AUTOPOINT/オートポイント】シャープペンシル用替え芯(1.1mm/赤)

【AUTOPOINT/オートポイント】シャープペンシル用替え芯(1.1mm/青)
【AUTOPOINT/オートポイント】シャープペンシル用替え芯(1.1mm/緑)
【AUTOPOINT/オートポイント】シャープペンシル用替え芯(1.1mm/B黒鉛芯)
【AUTOPOINT/オートポイント】シャープペンシル用替え芯(1.1mm/MARK SENSE)

【AUTOPOINT/オートポイント】シャープペンシル用替え芯(0.9mm/赤)

【AUTOPOINT/オートポイント】シャープペンシル用替え芯(0.9mm/青)
【AUTOPOINT/オートポイント】シャープペンシル用替え芯(0.9mm/緑)
【AUTOPOINT/オートポイント】シャープペンシル用替え芯(0.9mm/B黒鉛芯)
ブンドキ.com Yahoo!店
2015年12月20日;Amazon.comアフィリエイト登録から180日間売上が無かったのでrejectされていたことをおしらせいたします。
  1. 2015/06/07(日) 20:00:00|
  2. ┣シャープペンシルMechanical pencil
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