2025年までに大学入試が選択式から記述式中心へ変わり、しかも紙を廃止する気配すらあることから、マークシートに適していそうな鉛筆を売りこむなら今しかない、というわけで鉛筆を紹介する。ただし今回は提携先通販サイトで取り扱っていない鉛筆である。
このベトナム製鉛筆はスーパーマーケット「イオン」の独自企画商品。初めてこれを見たとき、消しゴムとフェルールがトンボ2558現行品(ベトナム製)と同じものだからあれの姉妹品なのだと思った。ところがよく見ると芯径も樹種も違う。
CEマークつき、発売年不詳。
φ7.7mm×188六角軸、芯径2.4mm、約6g、非塩ビ消しゴム
芯硬度HBのみ
三本組128円税別、ばら売りナシ
銘は三面に芯硬度が、一面にロット番号が印刷されるのみ、試験に向いている。
黄色いトンボ2558(φ2mm芯)等より太いφ2.4mm芯は露出面積が大きく、芯先が短くなっても書き続けられるため削る回数を減らせて時間を節約できる。だから太芯をマークシート用に薦める。
芯先が鈍って(丸まって)いるほうが素早くマークでき、読取エラーも減らせるのだから、尖らせない鉛筆削りを使うのが望ましい。その鉛筆削りとして
クツワ ケズール(画像は五段階調節のうち最も短く削った芯先)、
ソニック ラチェッタ芯先調整機能付きSK-812http://nanos.jp/schzkr/blog/1/198/と
ラチェッタカプセルSK-878http://nanos.jp/schzkr/blog/1/214/そして
かるスピンSK-837http://nanos.jp/schzkr/blog/1/199/を薦めよう。
クツワ トガールは芯先を尖らせてしまうから薦めない。
また
KUMオートマティックAS2Mと
M+R207も薦められる。その二品は木部だけを削って芯出しできる、元は製図やデッサン用である。どれくらい芯を削り出すかはお好きにしたらよいが、KUM AS2Mは最大7mm強、M+R207は無限に削り出せる。ただそれらは対応芯径がφ2.3mmまでだから、画像のように芯に螺旋条痕をつける。下端はカッターで削り出した場合。
どんな消しゴムを使うかもお好きにしたらよいが、ここでは
プラスWエアインや
フォームイレーザーピュアスリムなど細い、または
SEEDレーダーラインなど薄い消しゴムを薦めよう。他には
ライオンER-3K(現ER-10K)など繰出し式消しゴムが向いている。
左から
Koh-I-Noor 1820/HB φ5.5mm、
トンボ黒赤鉛筆HB φ3mm、本品φ2.4mm、
アイボール OLENマークシートHB φ2mm2015年12月はこれら四本を芯径が太い順に紹介する。
OMR(光学式マーク読取装置)に反応するかナンバーズ4で試し、いずれも赤外光を吸収した。センター試験での再現性を保証しないが気に病むことはない。
→マークシートQ&A|教育ソフトウェア→@nifty:デイリーポータルZ:マークシートは本当にボールペンを読まないのか?
*1行めは書いて消す行為を1回、5行めはそれを5回繰り返した。
*各製品の芯を各製品の消しゴムで消した。
左から本品、
トンボ2558/HB
伊東屋イートンペンシル
消しゴムとフェルールはたしかにトンボ2558と同じものでよく消せる。
おそらく樹種は
F - Cグリップ2001と同じくジェルトン、年輪(柾目)がほとんどなく削りやすい。この樹種は冬を知らないのだそうだ。表面に見える木目は年輪ではなく、太い導管に溜まった焦げ茶色の塗料。
オイルステイン風仕上げの表面にはつやが無く、トンボ木物語の「湿った」手触りとも、つややかなラッカー塗料重ね塗りの手触りとも異なり、ぺんてるブラックポリマー999に似てやや乾いた手触り。乾いているといっても
日本クリノス鉛筆ほどではない。あれは別格。
いまどきは日本製鉛筆といっても芯まで日本製かはわからないことが貿易統計から推察されるのだが、これは日本製ではないのに日本的な書き味、つまり脂っぽくてなめらか、筆跡の色も淡くなく、セブン&アイ プレミアムかきかたえんぴつの書き味によく似ている。芯径はこれまたセブン&アイえんぴつと同径、同じ芯に思われる。
その鉛筆はトンボippo!ナチュラルを元に両社が共同開発した製品で、それも越国製。同じ製造工場に思われる。
ロット番号は軸木と包装に記され、双方で異なるのだが、気にしたら負けらしい。私が入手した二ツは
軸木:K1312、包装:1409
軸木:K1411、包装:1504
だった。そして製造時期が異なっても品質に差異を感じなかった。
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- 2015/12/24(木) 08:00:00|
- ┣鉛筆Pencil
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