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ロットリング ラピッドグラフ第一回

 1953年、アメリカにて先行発売されたピストン吸入式製図ペン、DIN15規格に準拠した0.1~1.2mmまでの9種(のち0.15mmが追加され10種)の線幅が販売された。廃番年不明。
ロットリングが日本に紹介されたのは1961年(恐らくは海外事務器による)、手持ちのラピッドグラフは全て国内で入手したものであるから1960年代以降、古くとも1950年代後半以降の製造と考えられる。
 リープ社(現ロットリング)の主力製品であった尖筆型万年筆ティンテンクリのニブは管状だったため、直立させると一定の幅で線を引けるうえ定規にもあてがいやすい。
そのことに最初に気づいたのが誰かはわからないがリープ社はそれを製図向けに転用、"ラピッドグラフ"を発売する。
 当時、製図の墨入れに多用されていたのは、嘴のような二枚の金属板の隙間に一滴ばかりの墨汁を垂らして線を引く、線描距離が短いカラス口であった。対するラピッドグラフはティンテンクリと同じくピストン吸入式でインク容量約1.4mlであり、線描距離は飛躍的に伸長したのだった。
 だがピストン吸入式は製図ペンには不向きな形式だった。
吸入式はニブをインク瓶にどっぷり浸してインクを吸い上げるためすぐに書き出せる利点を持つが、一般の万年筆と違ってインク導管と通気溝が明確に分かれている中空管構造では、ニブ周囲の通気溝にインクが溜まると溝が塞がれたままになり不調を招く。しかも製図用顔料系インクは固着しやすい。
かといって固着しにくい染料系インクでは被覆力や耐水性、耐光性に著しく劣るため青焼きに適さず製図では避けられた。
 リープ社は製図用顔料系インク改良のため後にペリカンと業務提携を結ぶが、その前にインク充填法を大きく改め、1961年に発売したバリアントではごく初期の万年筆のような注入式(点眼式)を採用する。
ラピッドグラフはそれ以後も暫くは製造されていた模様。また、一本で0.1から2.0mm幅の線を引けるカラス口も廃れることなく使われ続けた。
  1. 2008/07/20(日) 06:30:00|
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