生産期間1959-1985?年、バリアントは
万年筆然としたラピッドグラフから脱却、クリップと吸入機構を廃して注入式(点眼式)を採用、胴軸に至っては別売りするなど各部をユニット化して製図用に特化し、ロットリングを製図ペンの代名詞にするほどの名声を得た。


線幅表示:天冠、ニブ
線幅識別色:鞘下端、ニブ、首軸下部
鞘や首軸を縁取る色は線幅によって色分けされ、例えば0.1mmは赤、0.3mmは灰色となる。配色は同社の独自設定。
別売りされた拡張部品には、両端にペン先を取り付けて太線と細線を使い分けられる胴軸(ダブルホルダ)や、コンパスに取り付けるための
コンパスアタッチメントがあり、
製図ペン専用コンパスも開発された。
このような、首軸を中心とした体系的な部品構成と運用法はその後のロットリング製図ペンの基準となり、他の多くの製図ペンも倣ったが、ダブルホルダやクリップの無い鞘は継承されなかった。※クリップの無い鞘はファーバーカステルTG, 不二ゼット万年筆テクニエース、ウチダ リバーペン、サクラヌーベル グラファー、ライオン事務器 エログラフに採用された。

1984年2月出荷分から胴軸が付属。
本品は廃番後も日本で需要があり、世界の市場在庫が集められたと噂される。画像の箱には日本語説明文とロットリング日本(1985年設立)、それにインクタンクタイプと印刷され胴軸が付属する。当時のロットリングがインクタンクタイプ(注入式)以外の製図ペンを発売したのは1985年ころであることから、これはそれ以後、恐らくは廃番後に出荷されたと考えられる。

0.1mmニブは本品廃番後も2003年まで20年近く供給され続けた。下二ツのニブはペリカンとロットリングに買収(1970年)されたkoh-i-noor rapidograph Inc.の製図ペン用によく似ている。
バリアントニブ代用品には、
koh-i-noor rapidograph 3165
ステッドラー マルス500, マルス700及びマルスマティック700
リフォームreform リフォグラフrefograph
コクヨ ロタグラフROTAGRAPH
ケルンKern プロントグラフ
ERO-Füllhalterfabrik/ライオン事務器 エログラフEROGRAPH(逆は不可)
の八種がある。
またサクラ ヌーベル グラファーでも一応は代用可能だが、鞘ごと換える必要あり。
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バリアント第二回バリアント第三回
インク、インクカートリッジは現行品と共用可能、というよりこれらは元来バリアント用であった。
- 2008/07/30(水) 06:30:00|
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とても為になる内容で、自身のブログでトラックバックをさせていただこうとしましたがエラーが出てできませんでした。事後承諾のお願いにになりますがページを引用させていただきました。よろしくお願いいたします。
- 2012/11/05(月) 22:54:40 |
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- 栗下南無ヲ #-
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コメントありがとうございます。トラックバックのほうは失礼しました。私もFC2トラックバックを成功させた試しがありません。
>ページを引用
お褒めいただきありがとうございます。お役に立てたら幸いです。
- 2012/11/10(土) 01:22:36 |
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- 魚眼 #-
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